熊野市立図書館

熊野市立図書館

熊野市立図書館は、三重県熊野市井戸町に位置する公立図書館で、JR熊野市駅のすぐ近くにある熊野市文化交流センター内に開館しています。この施設は、地元産の木材を活かし、心地よい開放感が特徴的です。特に、子供向けの書籍コーナーや松岡文庫と呼ばれる貴重書コレクションが際立っています。

歴史

公民館・文化会館時代（1958-2009）

熊野市立図書館の起源は1958年に遡ります。当時は木本公会堂の一部として「熊野市中央公民館図書部」として開設され、わずか1,304冊の蔵書から始まりました。1964年には県立図書館熊野分館が閉館し、その後しばらくは中央公民館内での運営が続きました。1972年には熊野市民文化会館が新たに開館し、図書館が同施設内に移転。その際、熊野市立図書館と改称され、専任職員が配置されました。

1980年には蔵書数が10,766冊に増え、利用者も学生を中心に年間約6,000人を記録。市民による図書の寄贈も受け、特定の棚を用意するなどして、徐々に図書館の体制が整っていきました。

2009年8月4日には新館への移転準備として一旦貸し出しが停止され、同年8月16日には旧館が閉館となりました。

文化交流センター時代（2009-）

新しい熊野市立図書館は2009年10月3日に開館した熊野市文化交流センター内に設置され、開館当日は伝統芸能や音楽イベントが行われ、地域住民の幅広い利用が期待されました。旧図書館から引き継いだ約4万冊の蔵書を持ち、今後は18万冊の蔵書を目指しています。

特に、地元住民の文化活動を支援するために、無料コンサートも開催され、地域との結びつきを強めています。また、貴重な歴史的資料や写真が寄贈され、定期的に展示会も行われています。

熊野市文化交流センター

熊野市文化交流センターは、図書館とホール、研修室を備えた2階建ての施設で、1階には図書館のほか、交流ホールや多目的ルームがあり、地域の文化発信の場となっています。高い天井と大きな窓は、太陽光を取り入れる設計で、館内は明るく開放的な雰囲気を生んでいます。

図書館の構造

図書館は1階と2階に分かれ、1階には一般向けと児童向けのゾーン、2階には松岡文庫などの貴重書が収蔵されています。140席の閲覧席が用意され、利用者の好みや雰囲気に応じて座席を選べるようになっています。特に児童ゾーンでは、子供用のトイレや授乳室も設けられ、子どもが使いやすい工夫がなされています。

利用案内

所在地は三重県熊野市井戸町643番地2で、熊野市文化交流センター内に位置しています。開館時間は10時から19時まで、月曜日と年末年始が休館日です。利用者は、住所に関わらず貸出が可能で、市外に在住の方は貸出冊数に制限がありますが、予約やリクエストも可能です。

特徴

熊野市立図書館は、地域の文化や歴史を称えるため、地元資料を重視し、海外の資料も収集しています。特に、イタリアに関する資料は、姉妹都市であるソレント市からの寄贈も受けており、地域同士の絆を深めています。休日には観光客の姿も多く、賑わいを見せるこの図書館は、地域の知識と文化の中心的な役割を果たしています。

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