熱血!!コロコロ伝説

熱血!!コロコロ伝説：懐かしのコロコロコミックを完全網羅したムック本

2007年5月、小学館より創刊された「熱血!!コロコロ伝説」は、単なる漫画雑誌ではなく、1977年から1996年にかけて『月刊コロコロコミック』『別冊コロコロコミック』『コロコロコミック増刊号』に掲載された人気作品の数々を再収録した、いわば「大人のためのコロコロコミック」として話題を呼びました。キャッチコピーは「大人のコロコロ」。全10巻が発行されました。

コロコロコミック30周年を記念した豪華内容

本ムック本は『コロコロコミック』創刊30周年を記念した特別企画として立ち上げられました。単なる作品集ではなく、各作品の詳細な解説や作者へのインタビューを掲載し、当時の思い出を深く掘り下げた内容となっています。さらに、毎号1本の書き下ろし漫画も収録されており、現代の視点と当時の魅力を融合した、ファンにとって垂涎の一冊と言えるでしょう。

特に魅力的なのは、復刻版コミックスが付属していた点です。当時入手困難だった、または絶版となっていた『新オバケのQ太郎』などの作品が復刻版として収録されており、コレクターにとってはまさに朗報でした。

また、各号は約2年分のコロコロの歴史を網羅しており、第1号と第6号は創刊記念として同時発売されるなど、発売方法も工夫されていました。年代分けは厳密なものではなく、長期連載作品に関しては連載期間が跨る場合もありました。そのため、収録されている作品は必ずしもその号が扱う年代に限定されておらず、コロコロの歴史全体を俯瞰できる構成となっています。

収録作品以外にも、掲載作品はほぼ全てカットと簡単な解説付きでリスト化されており、当時のコロコロコミックを網羅的に理解する上で非常に役立つ資料となっています。さらに、当時の読者コーナーに寄せられたハガキの一部も再掲載されています。投稿者名はイニシャル表記でプライバシーに配慮されています。

価格は税込み1,000円と、当時のコロコロ本誌の約2倍という高価格設定でしたが、その充実した内容から多くのファンに支持され、事実上の後継雑誌として2014年から2021年には「コロコロアニキ」が刊行されることにも繋がりました。

収録作品：懐かしの傑作たちが勢ぞろい

「熱血!!コロコロ伝説」には、数多くの名作が収録されています。藤子・F・不二雄先生、藤子不二雄A先生、川崎のぼる先生、すがやみつる先生など、日本の漫画史に名を刻む巨匠たちの作品が、時代を彩った名作の数々を網羅しています。

各巻には、その時代の代表的な作品が多数収録されており、例えばVol.1（1977年-1978年）には『ドラえもん』『いなかっぺ大将』『ゴリポン君』などが、Vol.2（1979年-1980年）には『ゲームセンターあらし』『あさりちゃん』『金メダルマン』などが収録されています。

また、各巻に掲載されている書き下ろし作品も注目すべき点です。当時を懐かしむだけでなく、現代の視点から見た作品解説や、作者の新たなメッセージも込められており、読者に多角的な視点を与えてくれる構成となっています。

付録：コレクター心をくすぐる豪華アイテム

各巻には、復刻版コミックスの他に、メタルストラップやメタルキーホルダーなどの豪華な付録も付属していました。これらも当時の作品を象徴するデザインで、コレクターにとっては貴重なアイテムとなっています。

My First BIG コロコロ30周年シリーズ：手軽に名作を楽しめるコンビニコミック

「熱血!!コロコロ伝説」と同時に展開されたのが、「My First BIG コロコロ30周年シリーズ」（略称：MFC）です。これは、コンビニコミックとして展開され、各作品の名シーンを厳選したベストセレクション形式で、手軽に名作を楽しめるよう工夫されたシリーズです。全19巻と、テーマ別アンソロジー3巻が発売されました。

一部作品では、てんとう虫コミックスに未収録の作品や描き下ろし作品も収録されており、単なる復刻版以上の価値を持っているものもありました。

コロコロコミックアーカイブズ：オンデマンド出版による絶版作品復刻

「熱血!!コロコロ伝説」の延長線上に位置づけられる企画として、「コミックパーク小学館オンデマンド」において「コロコロコミックアーカイブズ」が展開されました。これは、絶版となっていたてんとう虫コミックス作品のオンデマンド出版であり、多くの作品が再版されました。ただし、2022年9月20日にコミックパークが終了したため、現在入手困難な作品も存在します。

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