コロコロアニキ

コロコロアニキ：大人向けコロコロコミックの系譜

2014年10月15日から2021年3月15日まで、小学館より発行されていた青年漫画雑誌『コロコロアニキ』。そのキャッチコピーは「小学生お断り！」。少年向け漫画雑誌『月刊コロコロコミック』の大人版として誕生しました。

ターゲット層は、かつて『コロコロコミック』を読んでいた世代、つまり中学生から大人までを想定。青年漫画誌として位置づけられていましたが、表紙やデザインは『コロコロコミック』を踏襲した、どこか懐かしい雰囲気を醸し出していました。書店には、子供向けコーナーへの陳列を避けるよう注意書きがなされていたほどです。

掲載作品：懐かしさと新しさの融合

『コロコロアニキ』の魅力の一つは、掲載作品の多様性にあります。

懐かしい作品との再会: 20～30代にとって青春時代を彩った、あの作品たちが新たな形で登場しました。『爆走兄弟レッツ&ゴー!! Return Racers!!』や『でんぢゃらすリーマン』といった人気シリーズの続編、特別編が多数掲載され、読者の心を掴みました。また、『かっとばせ!キヨハラくん』など、往年の名作も新たな解釈で描かれ、新鮮な驚きを与えてくれました。

人気TCGとのコラボ: [トレーディングカードゲーム]を題材とした作品も大きな柱でした。『デュエル・マスターズ覇王伝 ガチ!!』や『フューチャーカード バディファイト ダークゲーム異伝』など、人気TCGを題材にした作品は、コアなファンだけでなく、多くの読者を引き込みました。

新日本プロレスと戦車の競演: 毎号、小田扉氏による新日本プロレス所属レスラーを題材にした作品と、小林源文氏による戦車を題材にした作品が掲載されていました。この組み合わせは、一見すると奇抜ですが、それぞれの作家が持ち味を活かした作品を提供することで、雑誌に独特の個性を加えていました。

そして、のむらしんぼ氏の『コロコロ創刊伝説』: この作品は、作者自身の経験を交えつつ、『コロコロコミック』創刊当時の様子を描いたものでした。漫画家としての苦悩や喜び、そして『コロコロコミック』という雑誌にかける強い想いが、リアルに描かれていました。

付録：コレクター心をくすぐるアイテム

『コロコロアニキ』には、毎号魅力的な付録が封入されていました。トレーディングカードゲーム用のオリジナルデザインカードやスマートフォン用ゲームアプリのシリアルコードは、読者の大きな楽しみの一つでした。また、タミヤとのコラボレーションによるミニ四駆パーツも人気で、オリジナルステッカーや特別仕様のボディパーツなどが提供され、ミニ四駆ファンを熱狂させました。

紙媒体からの進化とその後

2021年3月15日発売の第22号をもって、雑誌としての発行を終了。約6年半の歴史に幕を閉じました。しかし、これは「休刊」ではなく、「紙媒体から電子媒体への進化」と公式に発表されました。連載作品は「コロコロオンライン」に移行し、web上での連載を継続。2022年3月15日には「コロコロオンライン」内の漫画コーナーが「週刊コロコロコミック」に統合・リニューアルされ、過去作・新作問わず、そちらで閲覧できるようになりました。『コロコロアニキ』公式Twitterアカウントも「週刊コロコロコミック」公式アカウントに引き継がれています。

発刊ペースと掲載内容

『コロコロアニキ』は、当初は不定期刊でしたが、その後季刊、年3回刊と発行ペースが変化していきました。全22号が発行され、その中には様々な読み切り作品や、巻末に掲載されるアンケート募集漫画も含まれていました。アンケート募集漫画は、当初は共通の登場人物が登場するシリーズでしたが、途中から作画担当者が担当する作品のキャラクターが登場する形式に変化しました。また、大人向け雑誌とはいえ、表現の規制もあったことが、第3号の漫画で明かされています。

コロコロオンラインと今後の展開

「コロコロオンライン」への移行後も、『コロコロアニキ』で連載されていた作品の一部は、『コロコロオンライン』や「マンガワン」で掲載を継続しています。新たな作品も加わり、デジタルプラットフォームで新たな展開を見せています。

『コロコロアニキ』は、単なる漫画雑誌としてだけでなく、世代を超えた読者をつなぐ存在でした。その独特の雰囲気と魅力は、デジタルプラットフォームでも受け継がれ、これからも多くの読者を楽しませ続けることでしょう。

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