燃えよデブゴン 正義への招待拳

燃えよデブゴン 正義への招待拳

『燃えよデブゴン 正義への招待拳』（原題：鹹魚番生）は、1980年に香港で公開されたコメディ映画で、サモ・ハン・キンポーが主演しています。本作はブルース・リーの「ドラゴン」シリーズへのオマージュを含みつつも、物語としては全く異なる内容となっています。

映画の中心テーマは義賊怪盗であり、主人公は貧しい家庭で育った太めの青年、プー・チャン（サモ・ハン・キンポー）です。彼は中国の有名な義賊「一枝花（ヤッ・チ・ホア）」に憧れ、その行動を模倣しながら様々な騒動に巻き込まれていきます。物語はコミカルな要素が強く、サモ・ハン・キンポーのカンフーアクションが主役を務める場面は少なめです。

この映画は1983年12月24日に日本のフジテレビのゴールデン洋画劇場で『燃えよデブゴン2』という邦題で初放送され、後に『燃えよデブゴン 正義への招待拳』のタイトルでビデオ化されました。また、全篇で流れる音楽にはマカロニウェスタンの「ミスターノーボディ」が使用されており、独特の雰囲気を醸し出しています。

あらすじ

物語は昔の中国を舞台にしています。義賊「一枝花」は、その活躍により世間を賑わせており、警察部長ボー・リョクダン（カール・マッカ）は彼を捕まえることに躍起となっています。そこで、警察部長は一枝花を追うためにヒョー・ロリンという奇妙な男を雇い、プー・チャンと名乗る太めの男に近づけます。

プー・チャンは一枝花に憧れる青年で、貧しい家庭のために彼の真似をしようとしながらも、次第に事件に巻き込まれていきます。ヒョー・ロリンは、彼を罠にはめることを計画しているのですが、物語は一筋縄ではいかない展開を見せます。失敗や誤解を重ねながら、プー・チャンは義賊の真似を続け、多くの人々を笑わせます。

出演者

サモ・ハン・キンポーが演じるプー・チャンは、純朴さを抱いた太めの青年で、そのキャラクターに多くの視聴者が共感します。サモ・ハンの演技力は映画のコミカルな要素を一層引き立てています。

他にも警察部長を演じるカール・マッカは、スキンヘッドと髭を持つキャラクターとして、力強さと滑稽さを兼ね備えています。また、ヒョー・ロリンを演じるディーン・セキも、犯罪を追う中での奇怪さを自ら表現しています。

制作スタッフ

本作は、カール・マッカが監督、製作を務め、レイモンド・ウォンが脚本を担当しています。また、サモ・ハン・キンポーが武術指導を行い、質の高いアクションシーンが期待されますが、コメディ路線の強い映画であるため、アクション要素は控えめです。

特別な設定

映画の原題は「鹹魚番生」で、「塩魚が生き返る」という意味があります。これは、年老いて隠遁していた一枝花が甦り、再び正義のために立ち上がったことを示唆しています。

この作品は、続編が存在するものの、それらとの関連性は薄く、それぞれ独立した作品として楽しむことができます。『燃えよデブゴン』シリーズは、香港映画の独特のユーモアとタッチを感じることができる重要な作品の一つと言えるでしょう。

もう一度検索