燃料集合体

燃料集合体：原子炉を動かす心臓部

[原子炉]]内で核燃料を収容する燃料集合体は、原子力発電所の心臓部です。その構造や役割は、原子炉の種類によって大きく異なります。本稿では、軽水炉、[[新型転換炉]、[高速増殖炉]の燃料集合体を比較しながら、その詳細について解説します。

燃料集合体の種類と構造

[原子炉]]の種類によって、燃料集合体の形状や構成は様々です。高温ガス炉では球状のペブルベッド型燃料が最小単位ですが、軽水炉では多数の燃料棒を束ねた集合体が最小単位となります。軽水炉の中でも、沸騰水型[[原子炉]と[加圧水型原子炉]では、燃料集合体の構造に違いがあります。

軽水炉の燃料集合体

BWR: BWRでは、初期の6×6型から、現在の110万kW級では8×8型や9×9型が使用されています。燃料棒はジルカロイ-2製の被覆管で覆われ、中心にはウォーターロッド(角型の場合はウォーターチャンネル)と呼ばれる冷却材の通路があります。燃料棒は上部・下部のタイプレートと、中間にある複数の支持格子(スペーサー)によって固定され、チャンネルボックスと呼ばれる金属製の箱で覆われています。このチャンネルボックスは、制御棒からの保護と冷却材の流れを制御する役割を果たします。110万kW級BWRでは、約764体の燃料集合体が装荷されます。

PWR: 100万kW級PWRでは、15×15型や17×17型の燃料集合体が使用されます。燃料棒の被覆管にはジルカロイ-4が用いられ、制御棒は燃料集合体内部に分散して挿入されます。そのため、燃料集合体には制御棒案内管が複数通っており、各燃料棒は複数の支持格子によって保持されています。燃料棒の上下にはノズルがあり、制御棒案内管と溶接されています。100万kW級PWRでは、約193体の燃料集合体が装荷されます。

[新型転換炉]の燃料集合体

ATR原型炉「ふげん」では、28本の燃料要素が同心円状に配置された円筒形の燃料集合体が224体装荷されています。燃料要素はスペーサーとタイプレートで固定され、全長約4.4m、直径約111.6mmです。

[高速増殖炉]の燃料集合体

FBR原型炉「もんじゅ」では、炉心燃料集合体とブランケット燃料集合体がそれぞれ装荷されています。どちらも169本の燃料要素が正三角形に配置され、六角形のラッパ管に納められています。全長約4.2m、幅約11cmです。

燃料集合体の管理と使用済み燃料

各燃料集合体には固有番号が付けられ、使用履歴が厳格に管理されています。原子炉の定期検査では、使用済み燃料集合体の一部が炉外に取り出され、新しい燃料集合体が装荷されます。また、燃料の燃焼度に応じて炉内の燃料配置を変更するシャッフリングも行われます。

使用済み燃料集合体は、エンドピース(燃料集合体の末端部)とハル(燃料棒の被覆管の断片)に分けられて処理されます。ハルは、燃料棒を細断し、燃料を溶解した後に残るものです。

まとめ

燃料集合体は原子炉の運転に不可欠な要素であり、その構造や設計は原子炉の種類や出力によって異なります。本稿では、主要な原子炉の種類における燃料集合体の構造と特徴、そして使用済み燃料の処理について解説しました。これらの知識は、原子力発電の仕組みを理解する上で非常に重要です。

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