爆発物取締罰則

爆発物取締罰則の概要

爆発物取締罰則は、明治17年12月27日に公布された法律であり、公共の安全を脅かす爆発物の使用を規制する目的で制定されました。この法律は、治安の維持を目的に、人の身体や財産に対する危険を防ぐために存在しています。法律の略称は「爆取」とされ、報道などでは「爆発物取締法」とも呼ばれています。主務官庁は法務省が担っています。

法律の成り立ち

この法律が制定された当時、日本では自由民権運動急進派による事件が頻発しており、警察官に対しても爆発物が使用される背景がありました。さらに、当時のヨーロッパでは同様の立法が進められており、本罰則は1883年にイギリスで制定された「Explosive Substances Act」を参考にして作られています。

本罰則は、大日本帝国憲法施行前に太政官布告として制定されましたが、同憲法の施行後に法律と同様の効力を持つものとして扱われ、改正も行われています。現在も法律としての効力を保有しており、公共危険罪と位置づけられています。

定義と目的

本法律における爆発物の定義は、「理化学上の爆発現象を引き起こす不安定な物質で、人の身体や財産に害を及ぼす破壊力を持つもの」とされています。このため、法律は公共の安全を妨げる行為に対して厳しい姿勢を示しています。

戦後の影響

日本が太平洋戦争で敗戦した後、占領軍からの指示により治安維持法や治安警察法が廃止されました。その際、日本政府は爆発物取締罰則を代替措置として利用し、政府に対する批判的な運動の取締りに使われました。国際的なテロリズム対策の進展に伴い、国外犯についてもこの法律の適用が求められるようになりました。1972年には、火炎びんの使用を処罰する新たな法律が制定され、火炎びんは本法律の対象外とされています。

犯罪類型の種類

本罰則は、公共危険罪としての犯罪と行政犯的な性質を持つ犯罪に大別されます。例えば、爆発物使用罪や未遂罪、予備罪、脅迫罪、幇助罪、藏匿罪などが含まれます。爆発物使用罪は非常に重い刑罰が科される可能性があり、死刑、無期懲役、または7年以上の懲役が適用されます。

一方、行政的な犯罪としては、爆発物不告知罪や爆発物犯罪不告知罪があり、発見者に告知義務を課し、その不履行を処罰します。

激発物破裂罪との関連

刑法117条により、激発物破裂罪と爆発物使用罪との関係が問題となりますが、これらは観念的に競合する関係とされており、特定の条件下では爆発物使用罪が適用される場合があります。

まとめ

爆発物取締罰則は、歴史的な背景と法律の成り立ちを理解することで、現代における公共の安全を維持する重要な役割を果たしています。法律の目的は明確であり、今後も適切な運用が求められるでしょう。

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