爆竜戦隊アバレンジャー 20th 許されざるアバレ

『爆竜戦隊アバレンジャー 20th 許されざるアバレ』は、2003年から2004年にかけて放送されたスーパー戦隊シリーズ第27作『爆竜戦隊アバレンジャー』の20周年を記念した続編作品です。2023年9月1日に期間限定上映され、2024年 3月27日にBlu-rayとDVDがリリースされました。本作は、テレビシリーズ終了から20年後の世界を舞台に、アバレンジャーたちの新たな戦いを描いています。

概要

本作は、単なる続編ではなく、現代社会を反映した社会風刺的な要素を取り入れている点が特徴です。アバレンジャーが、過去の活躍を盾に現代社会で問題を起こしているかのように見られ、社会学者から批判されるという展開は、これまでのスーパー戦隊シリーズには見られなかったものです。

また、芸能界を引退していた、いとうあいこや坂野真弥など、オリジナルキャストの多くが再集結したことも大きな話題となりました。特に、ヤツデンワニ役の津久井教生さんは、収録直前に気管切開手術を受け、本作がシリーズ最後の出演作となりました。

あらすじ

アバレンジャーが地球を救ってから20年後。渡米していた伯亜舞が帰国し、伯亜凌駕と三条幸人・笑里夫妻はパーティーの準備をしていました。しかし、そこに現れたトリノイド第24号アバレンゲッコーにより、凌駕と幸人、そしてダイノアースからやってきたアスカは再び戦いに身を投じることになります。

一方、社会学者の五百田葵は、テレビ番組でアバレンジャーを痛烈に批判。さらに、ネオエヴォリアンを創生しようとするアバレンゲッコーは、かつての記憶を失った仲代壬琴を復活させます。窮地に陥るアバレンジャーたちを救うため、樹らんるが緊急帰国します。アバレンジャーたちは、過去の栄光に縋るだけでなく、現代社会の課題に立ち向かっていく姿が描かれます。

登場人物

オリジナルキャラクター

五百田葵（いおたあおい）
城南大学の准教授で社会学者。アバレンジャーに対し強い敵意を抱いており、ワイドショー番組で彼らを批判します。過去に、ダンスを無理やり踊らされたトラウマが原因で、アバレンジャーを憎むようになります。

秋谷葉月
葵の同級生でダンスインストラクター。20年前、葵がダンスを頑張る姿に勇気づけられた過去を持ちます。

田原々総一郎
凌駕がファンである早朝番組『朝から生テレビ』の司会者。豪快な仕切りが特徴です。

渡米ヒロシ
『朝から生テレビ』のコメンテーター。「ヒーロー評論家」という肩書きを持ちます。

シルクロード、ンダホ
動画クリエイター「フィッシャーズ」で、『朝から生テレビ』のコメンテーターとして出演。幼少期はアバレンジャーのファンでした。

MC
ワイドショー番組『わいどdeぼん』のMCを務める女性キャスター。番組で「アバレハラスメント」問題を紹介します。

登場怪人

アバレンゲッコー
アバレンジャーとレンゲ、ゲッコー（ヤモリ）がモチーフのトリノイド第24号。エヴォリアンによって、20年前にコールドスリープされていました。ネオエヴォリアンの創生を企み、アバレンジャーを窮地に追い込みます。必殺技は、レンゲビーム。人間のマイナス感情をエネルギーに変えて、威力を増大させることが可能です。また、アバレンジャーの要素を利用して、アバレキラーを一時的に復活させました。

オリジナルフォーム

超アバレマックス
アバレッドが、他のアバレンジャーたちのダイノガッツと爆竜の力、そして人々の「想い」のエネルギーを受けて超・爆竜チェンジした姿。名乗り口上は「剛力百倍！一気に最強!!超アバレマックス!!!」。

キャスト

伯亜凌駕 / アバレッド: 西興一朗
三条幸人 / アバレブルー: 富田翔
樹らんる / アバレイエロー: いとうあいこ
アスカ / アバレブラック: 阿部薫
仲代壬琴 / アバレキラー: 田中幸太朗
三条笑里: 西島未智
伯亜舞: 坂野真弥
五百田葵: 大友花恋
秋谷葉月: 朝倉ふゆな
田原々聡一郎: 殺陣剛太
MC: 渡邊唯
フィッシャーズ: シルクロード、ンダホ
渡米ヒロシ: 渡洋史
ヤツデンワニ（声）: 津久井教生

スタッフ

監督: 木村ひさし
脚本: 荒川稔久
* 音楽: 羽田健太郎 with Healthy Wings

制作

元々、10周年記念作品の構想がありましたが、実現には至りませんでした。20周年企画として改めて制作が決定し、木村ひさし監督のもと、「アバレンジャーが20年後に炎上騒動を起こす」という衝撃的なストーリーが展開されます。また、ファンからの声がきっかけで企画が動き出したという経緯も特筆すべき点でしょう。

映像ソフト化

2024年 3月27日にBlu-rayとDVDがリリースされました。豪華版には、キャストのオーディオコメンタリーやメイキング映像などが収録されています。また、入場者プレゼントとして、週替わりでARトレカが配布されました。

まとめ

『爆竜戦隊アバレンジャー 20th 許されざるアバレ』は、過去の作品へのリスペクトを込めた上で、現代社会の風刺を取り入れた意欲作です。オリジナルキャストの再集結、新たな敵の登場、そしてアバレンジャーたちの成長が描かれており、ファン必見の作品と言えるでしょう。特に、アバレンジャーが現代社会でどのように受け止められるのかというテーマは、これまでのスーパー戦隊シリーズにはない新しい試みであり、視聴者に様々な問いを投げかけます。

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