爆笑ザ・ヒント

『爆笑ザ・ヒント』（ばくしょうザ・ヒント）は、1982年6月9日から同年9月28日までの期間、テレビ東京系列で放送されたユニークな推理クイズ番組です。

概要

この番組では、毎回スタジオに招かれたお笑い界のスターや、多分野で活躍する有名人が2組4名のチームとなって参加しました。彼らに与えられた最大のミッションは、提示された「隠し言葉」が一体何であるかを、制限時間である10分以内に見つけ出すことでした。ゲームはまさに、知力とひらめき、そしてチームワークが試される推理ゲームの形式で進行しました。

ゲームの進行

ゲームはまず、特定のヒントが一切ない状態で始まります。最初の2分間は解答者チームにフリートークの時間が与えられ、彼らは自由に言葉を交わしながら「隠し言葉」の手がかりを模索します。この開始直後の時間に、解答者が持つ知識や連想を駆使して正解に迫ろうとする様子が見どころの一つでした。もし、この最初の2分間のうちに正解に至らなかった場合、その後は2分が経過するごとに、徐々に正解につながるヒントが追加されていきます。この段階的なヒントの提供によって、解答者はより具体的な情報をもとに推理を進めることができる一方で、時間経過とともにプレッシャーも増していくという緊張感のある構成となっていました。

出演者

番組の司会は、漫才コンビとして絶大な人気を誇っていた横山やすし・西川きよしが務めました。彼らは本番組の直前に放送されていた番組『やすし・きよしのどっちがどっち?』から引き続き司会を担当しており、安定感のある軽妙な司会ぶりで番組を盛り上げました。

解答者としては、当時活躍していた多くのお笑い芸人や著名人が登場しました。例として、おぼん・こぼん、オール阪神・巨人、ザ・ぼんちといった、お笑い界の人気コンビなどが解答席に名を連ねていました。彼らが隠し言葉に悪戦苦闘したり、あるいは見事な推理で正解を導き出したりする姿が視聴者の笑いを誘いました。

放送時間の特例

本番組は通常、毎週水曜日の19時30分から20時00分までの30分間にわたって放送されていました。しかし、最終回に関しては、通常の放送スケジュールから変更がありました。最終回は、本来放送されるべき水曜日の翌日にあたる1982年9月29日（水）の番組編成で、イギリス領香港製作のアニメ映画『ドラゴン水滸伝』が18時30分から19時54分という拡大枠で組まれたため、急遽、最終回は前日である9月28日の火曜日の22時00分から22時30分に時間を移して放送されました。

新聞掲載サブタイトルに見る番組の側面

新聞の番組欄に掲載されたサブタイトルからは、当時の番組内容や雰囲気を垣間見ることができます。いくつか例を挙げます。

1982年6月9日：阪神巨人、ざ・ぼんち、言葉探しに悪戦苦闘
6月16日：丸くて赤い物はなに？
6月23日：よしお紳助大当たりにやすきよマッサオ
6月30日：のりお神がかりか？やすきよの妨害失敗
7月7日：やったぜ紳助の逆転満塁サヨナラホームラン
7月14日：抱腹絶倒寛平の見上げてごらんコメディアン
7月21日：阪神無念の時間切れで北海道旅行逃す
7月28日：キングサイズのくるよに圧倒された湯原
8月4日：吉本のアラレちゃん大奮闘
8月11日：中国旅行招待続出にやすきよ大慌て
8月18日：さんま健闘！グアム旅行射止める
8月25日：アホの坂田は本当にアホか！？
9月1日：やすきよ大興奮！？不倫の恋に燃えるトシ坊と紳助
9月8日：きよしの目玉もヒントのうち
9月15日：おぼん・こぼんの夏の思い出
9月22日：初出演・小野ヤスシのむなしい弁舌

これらのサブタイトルからは、解答者が文字通り「悪戦苦闘」する様子や、正解が出た際の興奮、司会のやすきよと解答者との間のユーモラスなやり取り、そして賞品として海外旅行がかかっていたことなどが読み取れます。また、「神がかり」「逆転満塁サヨナラホームラン」といった比喩表現からは、ゲームの展開がドラマチックであったこと、「キングサイズ」「アホ」といったキーワードからは、出演者個々のキャラクターやその回のエピソードに焦点を当てた内容であったことがうかがえ、バラエティ豊かなクイズ番組であったことが想像できます。短い放送期間ながら、多くの視聴者に笑いと推理の楽しさを提供した番組と言えるでしょう。

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