父よ母よ!

映画『父よ母よ！』作品解説

映画『父よ母よ！』は、1980年に公開された木下惠介監督による作品です。ジャーナリスト斎藤茂男による同名のルポルタージュを原作とし、現代社会における家族の問題に鋭く切り込んでいます。カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭ではファシスト闘争賞を受賞しました。

ストーリー

詳細なストーリーは省略しますが、この映画は、様々な問題を抱える複数の家族の姿を通して、現代社会における家族の崩壊や、親と子の間の断絶を描いています。登場人物それぞれの苦悩や葛藤が、観る者の心を深く揺さぶります。

スタッフ

監督・脚本：木下惠介
製作：沢村国男、斎藤守恒
原作：斎藤茂男「ルポルタージュ父よ母よ！」
撮影：小杉正雄
音楽：木下忠司

木下惠介監督は、日本の映画史における巨匠の一人であり、人間の感情を繊細に描き出す作風で知られています。本作でも、その手腕が遺憾なく発揮されています。

キャスト

多喜子：三原順子
未沙：滝沢美幸
阿矢子：吉田康子
江美：夏江麻岐
俊二：原千明
淳一：入江則雅
由香里：佐藤敏江
喜久蔵：水野広
幸夫：岡元達哉
冬樹：石田純
織江：斉藤とも子
新聞記者：加藤剛
阿矢子の母：吉行和子
P先生：中野誠也
俊二の母：奈良岡朋子
俊二の母の男：長門裕之
淳一の父：田村高廣
淳一の母：岩崎加根子
児童心理学者：河原崎国太郎
浅川先生：若山富三郎

豪華キャストが集結し、それぞれの役柄を熱演しています。特に、子供たちの繊細な感情表現や、親たちの苦悩がリアルに描かれており、観る者の心を揺さぶります。

テーマ

『父よ母よ！』は、現代社会における家族のあり方を問いかける作品です。核家族化、教育問題、親の世代との価値観の相違など、様々な問題が複雑に絡み合い、家族の絆を揺るがしていきます。この映画は、家族とは何か、親とは何か、子供とは何か、という根源的な問いを私たちに投げかけます。

評価

公開当時、大きな反響を呼び、社会現象にもなりました。現代においても、そのテーマは色褪せることなく、私たちに多くの示唆を与えてくれます。家族の問題に関心のある方はもちろん、人間ドラマが好きな方にもおすすめの作品です。

参考文献

『新編 天才監督木下惠介』 論創社、2013年　ISBN 978-4846012472

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