片ボギー

片ボギーと片ボギー式の概要

片ボギー（かたボギー）、または片ボギー式（かたボギーしき）は、鉄道車両の特有の走行装置であり、ボギー台車に固定車軸を1組ずつ持つ形をしています。見た目には、ボギー車と2軸車が一つに結合されているように見えることがあります。具体的には、2軸車の一つの車軸をボギー台車に交換した形になっています。このような構造を持つ車両は「片ボギー車」と呼ばれています。

日本における片ボギーの事例

日本では、気動車において片ボギーの構造が採用された事例がいくつか存在します。特に、戦前に製造された内燃動車は快適な乗り心地を実現するためにこの技術を取り入れました。ここで重要なのは、二軸車から片ボギーになったものを「前輪ボギー」、ボギー車から派生したものを「半ボギー」や「片ボギー（狭義）」と区別することです。

片ボギーは、カーブを曲がる際に世の中のボギー台車と同様にセンターピンが真ん中についていると理論的には内側の車輪が障害となりカーブをうまく抜けられません。しかし、実際には車両同士の隙間やばねのたわみなどの遊びにより、曲がる際の負担が一軸側にかかっても実用的な範囲で動くことができます。ただし、前後方向を決めて走ることが必要な蒸気機関車や単端式気動車では安定性が向上することがありますが、両方向に走る気動車の場合は必ずしも安定性が良くなるわけではありません。

前輪ボギーの導入

前輪ボギーは、特に二軸車の快適性を向上させるために導入されています。日本車輌製造などが手掛けた単端式ガソリンカーにおいて、この形式が採用されたことがあります。ここでは、前の遊軸を2軸ボギー台車に代えることで、三点支持の構造が実現され、安定性が増し、悪条件のレールでもその効果を発揮します。

このスタイルのガソリンカーは、日本全国に分布し、特に中部から西日本に多く納品されていますが、戦後には多くが廃車となりました。これには、朝鮮向けの例外もありましたが、現存するものは少数です。

半ボギーとその効果

一方、半ボギーは走行性能を向上させるために固定車軸を1つ設けるもので、松井製作所が最初に製造しました。初期の内燃動車においては、他のメーカーも似たような構造を採用することがありましたが、一般的な採用には至らなかった事例が多くあります。

半ボギーのデザインは、エンジン出力が低い当時の日本に適していたため、牽引に必要な構造を実現し、動力は限定的に流用されることがありました。しかし、エンジンの性能が向上し、車両重量が増加することで、このようなスタイルの車両は次第に減少していきました。

その他の片ボギー車両の利用

片ボギー配置は、ディーゼル機関車や蒸気機関車にも見られます。産業用ディーゼル機関車は、片ボギーで全軸駆動する設計がいくつか存在しており、三菱製の機関車が代表的な例です。蒸気機関車においては、特にシングルドライバーと呼ばれるデザインが1832年に取り入れられ、のちに改良が行われました。

結論

片ボギーとその派生形式は、鉄道車両の設計においてさまざまな挑戦と工夫をもたらしています。それぞれの形式は、特定の目的を持ちながら、技術や時代のニーズに応じて変化し、鉄道の進化に寄与しています。

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