片倉佳史

片倉佳史（かたくら よしふみ）は、1969年生まれの日本の文筆家であり、武蔵野大学の客員教授として教鞭を執る傍ら、「台湾を学ぶ会」の代表も務めています。神奈川県相模原市で生まれ、その後、大和市、我孫子市を経て、白井市に移り住みました。白井市立大山口中学校、千葉県立鎌ヶ谷高等学校、早稲田大学教育学部教育学科教育学専修を卒業後、福武書店（現ベネッセコーポレーション）に勤務しましたが、後にフリーランスとして独立しました。

1991年、学生時代にバックパッカーとして初めて台湾を訪れたことがきっかけで、台湾の魅力に強く惹かれました。1997年からは台湾に拠点を移し、台湾に残る日本統治時代の歴史遺産や遺構の記録、調査研究に力を入れています。また、旅行ガイドブックの執筆も数多く手がけ、台湾の魅力を広く伝えています。台湾からの引揚者や、日本語世代と呼ばれる台湾の高齢者への聞き取り調査にも精力的に取り組み、彼らの貴重な証言を記録しています。

片倉氏は、執筆活動だけでなく、台湾の魅力や日台の絆、歴史などをテーマにした講演活動も活発に行っており、その講演回数は年間40回以上に及びます。講演は日本国内だけでなく、台湾でも開催され、多くの人々に感動を与えています。また、台湾への観光客誘致に関する提言やアドバイスなども行い、日台の観光交流にも貢献しています。

熱心なプロレスファンであり、鉄道にも深い知識を持つ片倉氏は、特に「音鉄」としても知られています。鉄道をメインにしたサウンドスケープの収集に情熱を注ぎ、鉄道の音を通じてその魅力を伝えています。2017年には、台湾からの引揚者や日本語世代の高齢者、台湾に関する専門家を招いて、「台湾を学ぶ会（臺灣研究倶楽部）」を設立し、代表として活動しています。2019年には、台北で日台交流イベント「台湾探見・探索日本」を主催し、各界の講師を招いて35もの講座を開催しました。

著書も多数あり、日本語だけでなく中国語でも出版しています。

主な著書（日本語）には、『旅の指さし会話帳8 台湾』、『台湾 日本統治時代の歴史遺産を歩く』、『台湾に生きている「日本」』、『台湾鉄路と日本人 線路に刻まれた日本の軌跡』などがあり、台湾の歴史や文化、鉄道に関するものが多くあります。その他、『音鉄 - 耳で楽しむ鉄道の世界』など、自身の趣味に関する著書もあります。

中国語の著書としては、『台灣日治時代遺跡』や、『台湾土地・日本表情』などがあります。

また、台湾の生活情報誌「悠遊台湾」を年1回刊行しています。片倉氏は、台湾の歴史、文化、鉄道、そして人々の生活を深く理解し、その魅力を様々な形で発信し続けています。

台湾の歴史や文化に深く関わりながら、多岐にわたる活動を展開する片倉佳史氏の今後の活躍が期待されます。

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