片倉村廉

片倉村廉（かたくら むらかど）について

片倉村廉は、江戸時代中期に活躍した仙台藩の重臣であり、白石片倉家の第8代当主です。彼の通称は小十郎で、その名は様々な歴史的記録に残されています。村廉は享保12年（1727年）、仙台藩の家老である松前広高の次男として生まれました。その幼名は繁九郎や勇之助で、初名は景寛であり、祖父は片倉景長の弟である松前為広です。

村廉は、縁戚にあたる白石領主の片倉村定の養子となり、白石家の後継者としての道を歩むことになりました。成長するに連れて、彼は藩主世子の宗村の遊び相手を務めることになります。これにより、藩主との親密な関係を築くことができ、次第に彼の地位は高まっていきました。

寛保3年（1743年）、村廉は養父の隠居に伴い家督を相続し、白石領主としての権利を持つことになります。この際、藩主宗村からの偏諱を受け、以後「村廉」と名乗るようになりました。同じ年、彼は江戸城で8代将軍・徳川吉宗に謁見し、これを機に名実ともに藩主としての役割を果たしていくことになります。

さらに、村廉は医療や農業の発展にも寄与しました。宗村から牧場の開設を命じられ、1744年には刈田郡の七日原に新たな牧場を設立しています。この事業は、藩の経済を支える重要な役割を果たしました。

村廉は1748年に宗村の妹である郷姫と結婚し、1子をもうけます。この子は後に一門の伊達村倫室となる薫姫です。しかし、彼は宝暦2年（1752年）に郷姫を失うという悲劇に見舞われます。その後、1754年に庶子である景義を嫡子と定めますが、景義は1760年に急死し、弟である繁五郎（後の村典）が嫡子として家督を引き継ぐこととなります。

政治的な活動にも目を向けた村廉は、1756年に藩主の襲封に際して再び将軍吉宗に拝謁しています。このような背景から、彼の死後はその子・村典が家督を継承することになりました。

村廉の生涯は42年で幕を閉じ、明和5年（1768年）6月23日に死去しました。彼の墓所は宮城県白石市にある片倉家廟所にあります。彼はその短い生涯の中で地域の発展や文化の振興に努め、和歌を通じて偉大な遺産を残しました。特に、次の和歌は彼の心情を表した名作として知られています。

「畏しな道ある御代は花鳥の 色香もおのか時をたかへす」

（宮城百人一首）

このように、片倉村廉の人生は当時の仙台藩にとって重要なものであり、彼の影響は今日においても語り継がれています。

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