片山広明

片山広明：日本のジャズサックス界を彩った異才

片山広明（かたやま ひろあき、1951年3月1日 - 2018年11月13日）は、日本のジャズ・サックス奏者であり、その独特な音楽性と幅広い活動で多くのファンを魅了しました。千葉県野田市出身。

生い立ちと音楽への目覚め

高校時代にアルト・サクソフォーンを始めた片山は、後にテナー・サクソフォーンに転向。國學院大學を中退後、プロのミュージシャンとしての道を歩み始めます。彼の音楽的才能は、早くから開花し、様々なジャンルの音楽家との交流を通じて、その独自性を磨いていきました。

バンド活動と音楽性の確立

1970年代後半には、篠田昌已、梅津和時、早川岳晴らと共に生活向上委員会大管弦楽団で活動し、2枚のアルバムを発表。このバンドでの経験は、彼の音楽性を確立する上で重要な要素となりました。また、同時期にRCサクセションとの交流を深め、レコーディングやライブをサポートするなど、活動の幅を広げます。
1980年代には、梅津和時率いるD・U・Bで活動し、ヨーロッパ公演も行うなど、国際的な舞台でも活躍しました。

渋さ知らズへの参加と貢献

1990年代に入ると、片山は渋さ知らズに加入。1993年発表のアルバム『DETTARAMEN』が初参加作品となり、以降、渋さ知らズにとって欠かせない存在となります。2006年のメジャー・デビュー後も、レコーディングやライブに積極的に参加し、その音楽性を支えました。渋さ知らズの指揮者である不破大輔は、片山を「渋さで言えば四番バッター」と評し、彼の音楽的才能を高く評価していました。

デ・ガ・ショーと忌野清志郎との交流

1994年には、林栄一と共にデ・ガ・ショーを結成。2作目のライナーノーツで、忌野清志郎に「片山、なんで俺をさそわないんだよ」と書かれたことがきっかけとなり、共演アルバム『Hospital』を制作・発表。このアルバムは、忌野清志郎のインディーズ・レーベル『SWIM RECORDS』から発売され、話題を呼びました。1998年には、林栄一との新ユニットCO2を結成するなど、精力的な活動を展開しました。また、忌野清志郎や麗蘭のサポートも行うなど、幅広い音楽活動を行いました。

ソロ活動と晩年

片山広明は、ソロ・アーティストとしても数多くの作品を発表しています。

EQUATOR（1983年）
ドライ・シェリー（1987年）
So-Kana（1992年）
インスタント・グルーヴ（1998年）
キャトル（2002年）
dust off（2007年）
* いそしぎ（2009年）

これらの作品は、彼の音楽的な探求心と、卓越した演奏技術を余すところなく伝えています。

2018年11月13日、肝臓がんのため67歳で逝去。彼の音楽は、今も多くの人々に愛され続けています。

片山広明は、日本のジャズ・サックス界において、独自の地位を築き上げた偉大な音楽家でした。彼の音楽は、これからも多くの人々に感動を与え続けることでしょう。

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