篠田昌已

篠田昌已：多彩な才能で時代を駆け抜けたサックス奏者

篠田昌已（しのだ まさみ、1958年12月8日 - 1992年12月9日）は、日本の音楽シーンにおいて独自の足跡を残したサックス奏者です。1980年代を中心に、ジャズ、ファンク、チンドン音楽、アングラ劇団の劇伴など、ジャンルを超えた幅広い分野でその才能を発揮しました。

多彩な音楽活動

篠田は1978年に「生活向上委員会」に参加しプロデビュー。その後、「パンゴ」、「じゃがたら」といったバンドで活動しました。特に「じゃがたら」では、ホーンセクションの要としてそのサウンドを支え、バンドの音楽性を豊かに彩りました。

1983年には、下北沢の街頭でチンドン楽団の演奏に感銘を受け、自ら「長谷川宣伝社」に入団。バンド活動と並行して、チンドン楽士としても活動を展開しました。この頃から、篠田の音楽性はさらに多様化し、独自の音楽世界を追求していきます。

1988年には、自身のユニット「篠田昌已ユニット」を結成。その後、関島岳郎、中尾勘二とのトリオ「コンポステラ」を結成し、より実験的な音楽にも挑戦しました。

早すぎる死と、その影響

1990年、「じゃがたら」の解散後、篠田はソロアルバム『コンポステラ』をリリース。また、「コンポステラ」名義でもアルバムを発表しました。1992年には、世界初のチンドンアルバム『東京チンドンVol.1』をリリースしますが、同年12月9日、急性心不全により34歳という若さで急逝しました。

篠田の死後も、彼の音楽は多くのアーティストに影響を与え続けています。渋さ知らズの不破大輔は、篠田から受けた影響を公言しており、チンドン音楽の世界では、篠田の楽曲「コンサルタント・マーチ」が新たなスタンダードナンバーとして演奏されています。

参加プロジェクト

生活向上委員会：RCサクセションのホーンセクションとしても活動したビッグバンド。
じゃがたら：江戸アケミ率いるファンクバンド。
オルケスタ・デル・ビエント：アングラ劇団「風の旅団」の劇伴を担当。
PUNGO：菅波ゆり子（向島ゆり子）らによるバンド。
A-musik：大正琴の竹田賢一を中心としたユニット。
Maher Shalal Hash Baz：工藤冬里を中心とした実験音楽バンド。
シェシズ：胡弓とボーカルの向井千恵を中心とするバンド。
くじらドラゴンオーケストラ：くじら（杉林恭雄）から発展したバンド。
Mr.Christmas：松浦祥隆らを中心とした大所帯バンド。
蠱的態（こてきたい）：映画『山谷─やられたらやりかえせ』の劇中音楽を担当。
篠田昌已ユニット：篠田自身の主宰するバンド。
コンポステラ：「篠田昌已ユニット」の発展形。中尾勘二、関島岳郎とのトリオ。

ディスコグラフィ

ソロ・アルバム

『コンポステラ』 (1990年)
『東京チンドンVol.1』 (1992年)
『篠田・西村DUO』 (1996年)

コンポステラ

『Sign Of 1 1の知らせ』 (1990年)
『歩く人』 (1995年)
『Wadachi』 (1997年)

その他の参加アルバム

飯島晃、カシーバー、ピヂンコンボなど、多数のアルバムに参加。

篠田昌已は、短い生涯の中で、多様な音楽の可能性を追求し、多くの人々に影響を与えました。彼の音楽は、今もなお、新しい世代の音楽家たちに刺激を与え続けています。

もう一度検索