片山正則

片山 正則（かたやま まさのり）氏は、1954年5月16日生まれの日本の実業家です。現在は、いすゞ自動車株式会社において会長兼最高経営責任者（CEO）の要職を務めています。山口県の出身です。

氏のキャリアは、郷里である山口県光市で始まりました。地元の山口大学教育学部附属光小学校、同附属光中学校を経て、山口県立光高等学校に進学し、卒業しました。その後、東京大学工学部で学び、1978年に同大学を卒業しました。卒業と同時に、いすゞ自動車株式会社に入社し、自動車産業の道に進みました。

いすゞ自動車では、長年にわたり様々な部門で経験を積みました。入社から約30年後の2007年6月には取締役に就任し、経営の中枢に関わるようになります。その後、常務、専務といった役員としての階梯を順調に昇り詰め、2014年4月には副社長に就任しました。そして、翌2015年6月には代表取締役社長に昇格し、同社のトップとして経営の指揮を執ることになります。

社長在任中の2020年9月からは、日本の自動車産業を代表する団体である日本自動車工業会（自工会）の副会長も兼任するようになりました。2023年4月には、いすゞ自動車の組織変更に伴い、社長から会長兼CEOに就任し、引き続き経営の最高責任者として同社を率いています。

さらに、2024年1月には、日本自動車工業会の会長という重責を担うことになりました。この会長就任は、日本の自動車業界において歴史的な意義を持つ出来事として注目されています。というのも、これまで自工会の会長は、トヨタ自動車、日産自動車、本田技研工業（ホンダ）といった大手乗用車メーカーのトップが務めるのが慣例でした。しかし、片山氏はこれら3社以外のメーカー、特にトラックやバスなどの商用車を主力とするいすゞ自動車からの選出であり、これは自工会史上初めてのこととなります。この選出は、日本の自動車産業が直面する多様な課題や、商用車分野を含む幅広い視点の重要性が増している現状を反映したものとみられています。

片山氏の経歴は、一貫していすゞ自動車でのキャリアを積み重ね、経営者としての手腕を発揮してきたことを示しています。また、日本自動車工業会での活動を通じて、自動車産業全体の発展にも貢献しています。特に、商用車メーカー出身者として初の自工会会長に就任したことは、日本の自動車産業における新たな時代の到来を象徴するものと言えるでしょう。

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