片桐英郎

片桐 英郎（かたぎり ひでお）のプロフィール

片桐英郎は、1897年9月21日に長野県下伊那郡根羽村に生まれた日本の著名な農芸化学者です。彼は1938年に東京帝国大学から農学博士の学位を取得し、専門分野として発酵化学を選びました。彼のキャリアは、農業学の発展において多大な影響をもたらしました。

学歴と職歴

片桐は、1919年に旧制第二高等学校を卒業した後、東京帝国大学農学部農芸化学科に進学し、1922年に卒業しました。この後、東京帝国大学で助手として活動を始め、1924年には京都帝国大学農学部で助教授に就任しました。彼は1927年に欧米留学から帰国し、1929年には京都大学の教授となりました。1960年に退官するまで、彼はその職務を全うし、名誉教授の地位を得ました。

また、1963年から1965年の間には、日本農芸化学会の会長として学界をリードしました。1982年には、日本学士院の会員に選出され、その業績を高く評価されました。

研究と業績

片桐英郎の研究は主に発酵菌類や微生物の代謝に関するもので、特に乳酸菌の生化学やラセミアーゼの発見が評価されています。彼はまた、醱酵菌類によって生成されるビタミンB2関連物質についての研究や、有機発酵酸に関する研究を行いました。繊維原料の発酵精錬に関する研究も手掛けており、これらの成果は農業や食品工業における重要な知見を提供し、実用化されるケースも多くありました。

著作には「酵素化学工業」などがあり、これは発酵過程や酵素に関する詳細な知見を網羅したものです。彼の業績は、後進の研究者たちに多くの影響を与え続けています。

受賞歴

片桐は、その功績が認められ、いくつかの賞を受賞しています。1949年には日本農学賞鈴木賞を受賞し、1951年には日本ビタミン学会のビタミンB2長尾賞を、1957年には再度日本ビタミン学会賞の鈴木賞を受賞しました。1960年には、日本学士院賞と日本ビタミン学会賞を獲得し、その業績が広く認められました。

まとめ

農芸化学の分野において、片桐英郎は多くの貴重な研究成果を残した重要な人物です。彼の探求心と献身的な活動は、今なお多くの研究者に影響を与え続けており、農業や食品産業の発展に寄与しています。片桐は1987年9月18日に亡くなりましたが、彼の業績と影響は永遠に覚えられるでしょう。

参考文献

• - 「現代物故者事典 1983〜1987」日外アソシエーツ 1988年
• - 「日本人名大辞典」講談社 2001年

もう一度検索