片浜十三里

片浜十三里（かたはまじゅうさんり）

片浜十三里は、愛知県田原市の渥美半島の最先端、伊良湖岬近くに位置する約52キロメートルにわたる砂浜です。この美しい浜は日出の石門から静岡県浜松市の浜名湖と外海の境界である今切れ口まで続いています。地元民は、遠州灘（太平洋）を「表海」と称し、それに対して三河湾を「裏海」と呼ぶことから、一般的には「表浜」として知られています。

地形

片浜十三里の海岸線は、主に高さ10メートルから30メートルの海食崖によって形成されています。これらの崖は常に波の力量によって侵食されており、1956年の調査では、1897年の測量時と比較して海岸線がなんと60メートル後退していることが明らかになりました。このため、波の影響を軽減するためにテトラポッドなどの波消しブロックが多数設置されているのですが、一方でアカウミガメの産卵地でもあるため、環境保護の観点から一部撤去を進める取り組みも行われています。

利用

片浜十三里は観光スポットとしても知られており、旧東海道にある潮見坂や、伊古部海岸、さらにはサーフィンに適した赤羽根海岸など、多くの人々が訪れます。ただし、素晴らしい景観を持つこの海岸では「うと」と呼ばれる危険な巻波があるため、遊泳は禁止されています。海水浴はできませんが、波の高さが逆にサーフィンには理想的であり、特に台風の時や冬場でもサーフィンに挑むサーファーも多くいます。赤羽根海岸では、公式のサーフィン大会が開催されており、波を利用した地域振興活動も展開されています。また、釣りを楽しむ人たちの姿も見られ、かつては盛んに行われていた地引き網漁では、白身の魚がちくわの原料として利用された歴史もあります。現在では、イベントとして地引き網漁体験が行われています。

保全

片浜十三里では「表浜ブルーウォーク」として清掃活動が盛んに行われており、地域の自然環境を保つために多くの人々が参加しています。この取り組みは、住民や訪れる観光客がこの美しい浜を守るために重要な役割を果たしています。自然の素晴らしさを享受するためには、保全活動が欠かせないのです。こうした活動により、片浜十三里の美しい風景が未来にも引き継がれていくことが期待されています。

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