片田・野田のため池群

片田・野田のため池群：豊かな自然と歴史を育む水辺

三重県津市片田地区に位置する「片田・野田のため池群」は、岩田川周辺の丘陵地に点在する大小30余りのため池の集合体です。これらのため池は、江戸時代に地域の農業を支えるために築造され、現在も約150ヘクタールの農地を潤しています。2010年には、農林水産省の「ため池百選」に選定され、その価値が改めて認識されました。

多様な生態系を育む貴重な空間

ため池周辺は、多様な動植物が生息する豊かな自然環境が残されています。トンボをはじめとする水生昆虫が数多く見られるほか、カイツブリなどの水鳥や、時にはオオタカなどの猛禽類も姿を現します。これらの生き物たちは、ため池を中心とした生態系の中で、互いに影響し合いながら生きています。

保全活動の必要性

近年、ブラックバスやブルーギル、アカミミガメといった外来種が繁殖し、生態系への影響が懸念されています。これらの外来種は、在来の魚や昆虫を捕食するため、生態系のバランスを崩してしまう可能性があります。また、ため池の管理は、高齢化が進む地域住民にとって大きな負担となっており、保全活動の継続が難しくなっています。

官民一体となった保全活動

このような状況を受け、近年では官民一体となったため池の保全活動が積極的に行われています。地域住民だけでなく、行政やNPOなどが協力し、外来種の駆除や水質改善、ため池周辺の環境整備などに取り組んでいます。これらの活動を通して、ため池の生態系を守り、地域資源としての価値を高めることが目指されています。

アクセス

• - 道路：国道163号線
• - 公共交通機関：近鉄名古屋線津新町駅下車

関連情報

• - 津市
• - ため池百選
• - 岩田川

外部リンク

• - 紀伊半島の環境保全と地域持続性ネットワーク
• - ため池百選 - 農林水産省
• - 三重県農林商工部 - 三重県

片田・野田のため池群は、農業用水源としての役割だけでなく、豊かな自然環境を保全する上でも重要な存在です。地域住民の努力と官民の連携によって、この貴重な水辺が未来へと引き継がれていくことが期待されます。

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