牛スネ

牛スネ肉は、牛のふくらはぎ付近に位置する部位の名称です。英語では「beef shank」と呼ばれています。日本では、前脚のものを「前スネ」、後ろ脚のものを「友スネ」と区別することがあります。

牛スネ肉の特徴は、運動量の多い部位であるため筋肉が発達しており、脂肪が少なく赤身が多いことです。そのため、肉質は非常に硬いという特徴があります。焼肉や炒め物など、直接加熱する調理法にはあまり適していません。

しかし、牛スネ肉にはコラーゲンが豊富に含まれています。時間をかけてじっくりと煮込むことで、肉質が軟らかくなり、風味と旨みが際立ちます。この特性から、カレー、シチュー、スープなどの煮込み料理に最適とされています。また、濃厚な旨味を活かして挽き肉にし、ハンバーグなどに利用すると、コク深い風味豊かな味わいに仕上がります。

ヨーロッパ、特にフランスなどでは、牛スネ肉をワインでじっくりと煮込んだ「牛スネ肉のワイン煮」が、家庭料理として古くから親しまれています。牛肉のブルゴーニュ風などが代表的な料理です。

牛スジも牛スネと同様に牛の脚の部分ですが、アキレス腱やスジが付いているものが牛スジ、アキレス腱が除去されているものが牛スネと区別できます。ただし、牛スジとして販売されているものの中には、アキレス腱以外の部位、例えば製肉過程で肉に付着する細かい硬いスジの部位や、横隔膜の一部、ハラミの外側についている膜状の部分なども含まれている場合があります。

牛スネ肉は、その硬さゆえに敬遠されがちですが、煮込むことで信じられないほど美味しくなる、ポテンシャルの高い部位です。ぜひ、時間をかけてじっくりと煮込んで、その濃厚な旨味を堪能してみてください。

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