牧宗孝

牧宗孝：ダンスと歌で彩る唯一無二のアーティスト人生

牧宗孝氏（MIKEY名義でも活動）は、日本の音楽シーンに多大な影響を与えている稀有な存在です。歌手、ダンサー、作詞家、作曲家と、その才能は多岐に渡ります。1983年東京都生まれ。165cm、O型というプロフィールからも、華奢ながらもパワフルなパフォーマンスを想像させることができます。

幼少期からの表現者としての才能

5歳の頃、親戚一同が集まる正月に、母の服をまとい、中森明菜や中山美穂の楽曲に合わせて歌い踊ったことが、牧氏の最初のショーとなりました。その後、日本舞踊を習い始めるも、お囃子にのめり込み10年ほど活動。ショーガールに憧れを抱いていたというエピソードは、幼い頃から人前に立つことに喜びを感じ、表現者としての才能を開花させていったことを物語っています。

育った立川市にはアメリカ空軍立川基地があり、黒人経営のヒップホップショップが存在しました。不良の遊びと見られていたストリートダンスでしたが、中学生の牧氏にとって、新たな表現方法との出会いの場となりました。マイケル・ジャクソンやジャネット・ジャクソンの音楽に触発され、自宅や夜の屋上でこっそりとヒップホップダンスの練習に励んだ日々は、彼の才能を磨く重要な時間となりました。

葛藤と挑戦：メジャーデビューからの転換

19歳の時、音楽レーベル・リズメディアのオーディションでグランプリを獲得。メジャーデビューという大きなチャンスを掴みます。しかし、セクシャルマイノリティである自分自身との葛藤から、歌手を諦めるという決断をしました。この経験は、彼の人生に大きな影響を与え、自身のアイデンティティと向き合う契機となりました。その後、ストリートダンサーとして独学で活動を続け、表現者としての道を模索します。

2005年頃には、MAIKO氏と出会い「東京☆キッズ」を結成。この頃、ゲイであることをカミングアウト。奇抜なショーを展開するも、メンバーとの方向性の違いからMAIKO氏との2人体制となり、活動を休止します。後に、東京☆キッズを脱退したメンバーが結成した「s**t kingz」は、ストリートダンスシーンで大きな成功を収めることになります。

東京ゲゲゲイ：ダンス界への革命

2013年、牧氏が講師をしていたダンススタジオの教え子たちと「東京ゲゲゲイ」を結成します。ダンスコンテスト「DANCE@HERO」では、歴代最高得点を記録し、5代目王者に輝きました。東京ゲゲゲイは、その革新的なダンススタイルとパフォーマンスで、ダンス界に新たな風を吹き込みました。

歌手としての再出発

2016年、加藤ミリヤ氏から「絶対に歌った方がいい」と勧められ、楽曲「女神の光」でフィーチャリング。以降、ソロ活動や東京ゲゲゲイでの歌手活動を本格的に開始。ダンスだけでなく、歌という表現方法でも才能を開花させ、多方面で活躍の場を広げました。

多彩な活動と今後の展望

牧宗孝氏は、東京ゲゲゲイのリーダーとして、ダンスカンパニー「Vanilla Grotesque」の主宰、そして数々のアーティストへの楽曲提供など、精力的に活動を続けています。自身の経験やアイデンティティを表現に昇華させ、多くの人々に感動と勇気を与え続けるアーティストとして、今後もその活躍に期待が高まります。彼の才能は、これからも多くの人の心を魅了し続けることでしょう。

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