牧港

牧港（まきみなと、まちなと）

沖縄県浦添市北部に位置する牧港は、古くから人々の生活と深く関わってきた地域です。その歴史、地理、そして現在の様子について詳しく見ていきましょう。

地理

牧港は、浦添市の北部に位置し、東側は港川・伊祖、西側は宜野湾市嘉数・大謝名・宇地泊と隣接しています。この地理的な特徴から、古くは貿易港として、そして現代では住宅街として発展を遂げてきました。

歴史

牧港の歴史は14世紀にまで遡ります。当時、沖縄最古の貿易港として記録に残っていますが、河川からの土砂の堆積や浅い海底が原因で大型船舶の停泊が難しく、その役割は那覇港へと移りました。その後は漁船や山原船の停泊地として利用されていましたが、戦後、工業用地を確保するため海岸が埋め立てられ、かつて「牧港」と呼ばれた港は姿を消しました。しかし、牧港川の河口には「牧港漁港」という第一種漁港が今も存在し、当時の名残を留めています。

戦前、牧港には現在の国道58号線と県道153号線の交差点周辺に集落が点在する程度で、その他はほとんどが田畑でした。しかし、終戦を経て住宅街が急速に拡大し、現在の賑やかな街並みが形成されました。

地名の由来

牧港という地名の由来には、悲しい伝説が残されています。源為朝とその妻である思乙、息子である尊敦が別れた地であるとされ、妻子が為朝の帰りを待ち続けた海岸が「待ち港（まちみなと、まちなと）」と呼ばれるようになったことが、地名の由来とされています。牧港の「テラブのガマ」と呼ばれる洞窟にも、同様の伝説が伝えられています。

施設

牧港には、生活に必要な様々な施設が点在しています。以下に、丁目ごとに主な施設をまとめました。

牧港一丁目

国道58号線：九州沖縄の一般道路の中で最も交通量が多い区間です。
浦添牧港郵便局
沖縄銀行牧港支店
琉球銀行牧港支店
浦添警察署牧港交番
牧港公民館
沖縄地区税関牧港出張所
沖縄明治乳業本社・工場
エムアンドビー本社・工場

牧港二丁目

浦添市立牧港小学校
まちなと児童公園
まちなと児童センター
牧港学童クラブ

牧港三丁目

急な坂が多い閑静な住宅街です。
浦添市中央公民館分館（元浦添市商工会議所）

牧港四丁目

牧港川と比屋良川に挟まれた地域です。
沖縄県営牧港団地
マチナトボウル
A&W牧港店

牧港五丁目

大部分が埋立地で、沖縄電力の敷地が広がります。
沖縄電力牧港火力発電所
牧港ドライビングスクール
浦添消防署牧港出張所
牧港漁港
浦添宜野湾漁業共同組合
クルマエビ養殖場
琉薬本社
宜野湾テレビ中継局（牧港火力発電所の煙突部に設置）
フォーモストブルーシール

字牧港

交通

牧港は、交通の便にも恵まれています。主な道路は以下の通りです。

国道58号線：ほぼ東西方向に走っており、牧港区間は特に交通量が多いです。
宜野湾バイパス
国道330号
沖縄県道153号線
沖縄県道153号線バイパス
沖縄県道251号那覇宜野湾線（パイプライン通り）


また、戦前には沖縄県営鉄道嘉手納線の牧港駅が存在していました。

まとめ

牧港は、歴史と文化が息づく地域でありながら、現代的な生活に必要な施設も充実しています。交通の便も良く、住みやすい街として多くの人々が暮らしています。

参考文献

浦添市牧港自治会．『牧港字誌』

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