牧野平五郎

牧野平五郎：富山の発展に尽力した実業家・政治家

牧野平五郎（まきの へいごろう）は、元治元年8月1日（1864年9月1日）に生まれ、昭和3年（1928年）5月10日に没した、日本の実業家であり政治家です。彼は衆議院議員や富山市長を歴任し、富山の発展に大きく貢献しました。

生い立ちと初期の活動

牧野平五郎は、越中国新川郡富山風呂屋町（現在の富山県富山市堤町通り）で、町年寄・牧野正貫の長男として生まれました。幼少期から漢学や数学を学び、学問の基礎を築きました。その後、家業である呉服業を継ぎ、その経営に携わりました。

実業家としての才能も発揮し、十二銀行、北陸商業銀行、第四十七国立銀行などの取締役を歴任しました。その他、富山電灯、中越鉄道、北陸生命保険、富山鉄道などの要職も務めました。また、富山米穀肥料取引所の監査役や富山商業会議所の副会頭としても活躍し、富山経済の発展に尽力しました。さらに、富山実業新聞を創刊し、地域の情報発信にも貢献しました。

政界での活躍

牧野平五郎は、政界にも進出し、その才能を発揮しました。1892年5月には富山市会議員に選出され、18年間在職しました。市会議員としては、議長も務め、市政の発展に貢献しました。その後、富山県会議員にも選出され、県議会議長も務めました。

1903年3月には、第8回衆議院議員総選挙に富山県富山市から出馬し、見事当選を果たしました。その後、第10回総選挙でも再選され、衆議院議員を通算二期務めました。国政においても、地域選出の代議士として活躍しました。

富山市長としての功績

1919年2月17日、牧野平五郎は富山市長に就任しました。市長としては三期務め、在任中にその生涯を閉じました。市長在任中は、教育や産業の振興に尽力しました。具体的には、電車の市営化、市庁舎や学校の新設・改築、青年団・婦女会の設置、方面委員制度の実施など、多岐にわたる政策を推進しました。これらの政策は、富山市の近代化と市民生活の向上に大きく貢献しました。

牧野平五郎は、実業家、政治家として、富山の発展に大きく貢献しました。彼の功績は、今日の富山の礎となっています。

参考文献

『富山大百科事典 下巻』北日本新聞社、1994年。
衆議院・参議院編『議会制度百年史 - 衆議院議員名鑑』大蔵省印刷局、1990年。
* 歴代知事編纂会編『日本の歴代市長』第2巻、歴代知事編纂会、1984年。

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