特別の機関

特別の機関

特別の機関とは、日本における行政機関の下部組織の一種であり、内閣府や中央省庁、または委員会など、特に必要とされる場合に設置されます。この機関は、外局に格上げするほどの規模や重要性はないものの、他の下部組織よりも若干強い位置づけを持つことが多いです。また、逆に、審議会などのより弱い機関を一段階昇格させたい場合にも「特別の機関」という名称が使用されます。重要な点として、「特別機関」とは略さず、必ず「特別の機関」と呼ばれます。

変遷

特別の機関という概念が法制上に登場したのは1984年7月1日のことで、国家行政組織法の改正によって新たに設けられました。それ以前は、各省庁やその外局には「附属機関その他の機関」として、審議会や研修所、病院などが個別に存在していましたが、これらの機関が整理されることはありませんでした。

1984年の改正により、「附属機関その他の機関」は「審議会等」、「施設等機関」、「特別の機関」の三つに分けられることとなり、それぞれに法律に基づいた設置理由が求められました。特別の機関についても、以前の「附属機関その他の機関」と同様に、法律に基づいた設置が必要とされました。

警察庁の位置づけ

また、1984年に警察法が改正されることで、警察庁は国家公安委員会の「特別の機関」として位置付けられることになりました。警察庁は、警察大学校や科学警察研究所、皇宮警察本部を抱えていますが、特別の機関とされている警察庁は「施設等機関」や「特別の機関」という表現を使わず、代わりに「附属機関」を使用しています。警察大学校と科学警察研究所は施設等機関に、皇宮警察本部は特別の機関に相当すると理解されています。

独立行政法人への移行

さらに、独立行政法人制度の創設によって、特別の機関から独立行政法人に移行するケースも見られます。たとえば、財務省の特別の機関であった造幣局および印刷局は改組され、それぞれ独立行政法人造幣局と独立行政法人国立印刷局となりました。また、通商産業省の特別の機関だった工業技術院は、経済産業省の産業技術環境局と国立研究開発法人産業技術総合研究所に業務が承継されました。

特別の機関の例

過去には、いくつかの特別の機関が存在しました。その中には、中央防災会議（1984年7月1日から2001年1月5日まで）、消費者保護会議（1984年7月1日から2004年6月1日まで）、阪神・淡路復興対策本部（1995年2月24日から2000年2月23日まで）などがあり、これらは後に改組や廃止されました。その他にも、インターネット青少年有害情報対策・環境整備推進会議（2009年4月1日から2010年3月31日まで）や死因究明等推進会議（2012年9月21日から2014年9月20日まで）、成年後見制度利用促進会議（2016年5月13日から2018年3月31日まで）、子ども・子育て本部（2015年4月1日から2023年3月31日まで）などが存在しました。これらの機関がどのように地位を変え、役割を持っていたのかを知ることで、特別の機関の重要性が理解されます。

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