特別住民票

特別住民票とは

特別住民票は、市町村や特別区が、地域独自の魅力をPRし、地域への関心を高めるために発行するものです。対象は、自治体の住民に限らず、動物や架空のキャラクターなども含まれます。

概要

特別住民票の発行は、各自治体が条例や要綱に基づいて独自に行っています。住民基本台帳法や戸籍法の適用を受けないため、法的な効力はありません。あくまで、地域振興を目的とした広報活動の一環と位置づけられます。

特別住民票は、無料のものと有料のものがあります。有料の場合、数百円程度で販売され、観光客やファンにとって記念品としての価値があります。

発行をめぐる議論

特別住民票の発行をめぐっては、過去に議論が起こった事例もあります。例えば、多摩川に出現したアザラシのタマちゃんに特別住民票が発行された際、外国人登録制度下にあった在日外国人から、「アザラシに住民登録を認めるなら、自分たちにも認めるべきだ」という抗議の声が上がりました。もっとも、現在では外国人登録制度は廃止され、外国人も住民基本台帳で管理されています。

ふるさと住民票の構想

民間シンクタンクの構想日本は、特別住民票の機能を拡充した「ふるさと住民票」の導入を提唱しています。ふるさと納税の利用者や、災害避難者などに対して、広報誌の送付や公共施設の利用料割引、住民投票への参加資格などを付与することで、地域への関与を促進し、活性化につなげることを目指しています。

鳥取県日野町では、2016年にふるさと住民票を導入し、全国初の交付事例となりました。

発行例

特別住民票は、様々な対象に対して発行されています。

人間: 地域出身者や、地域に貢献した人物など
人間以外の動物: 地域に生息する動物や、マスコットキャラクターなど
架空のキャラクター: アニメやゲームのキャラクター、地域のPRキャラクターなど
像・人形・機械など: 地域のシンボルとなる像や人形、産業遺産など

まとめ

特別住民票は、自治体が地域振興のために発行するユニークな取り組みです。観光PRや地域への愛着醸成に貢献する一方で、法的な位置づけや公平性の観点から議論の余地もあります。今後の活用方法について、さらなる検討が期待されます。

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