特定二輪車

特定二輪車とは

特定二輪車は、日本の道路交通法に基づき、2009年9月1日より施行されたトライク（3輪の自動車）の新しい区分です。この制度の導入により、これまで全てのトライクは普通自動車以上の運転免許が必要でしたが、特定大型自動二輪車および特定普通自動二輪車として特別な扱いを受けることになりました。

例えば、ヤマハ発動機は、これらの車両を「リーニング・マルチ・ホイール（LMW）」と呼び、2014年に発売されたヤマハ・トリシティはこの新しいカテゴリーによる製品展開の一環です。

概要

特定二輪車は、内閣総理大臣が指定する特定のトライクに対し、自動二輪車と同様の運転資格が認められる制度です。具体的な基準には、二輪の自動車の運転に近い走行特性を持つことが求められます。このことにより、特定二輪車は普通自動車免許が不要になり、代わりに排気量に応じたオートバイの運転免許（大型二輪免許、普通二輪免許、普通二輪免許（小型限定））が必要になります。ただし、施行日から一年間は従来の自動車免許で乗ることが可能でした。また、特例試験を受けることで特定二輪車専用の免許を取得することもできます。

1965年以前に取得した特定の運転免許を持つ者は、自動二輪免許を適用されるとみなされ、条件を満たせば特定二輪車を問題なく運転できるようになります。この法律改正は三輪自動車への対応を目的にしており、過去の改正により原動機付自転車に分類されている車両には影響がありません。

条件の変更と法定速度

また、法改正により特定二輪車は、高速道路での法定速度が従来の80km/hから、二輪自動車と同様の100km/hに引き上げられました。これにより、特定二輪車はより広範囲での利用が可能になっています。

沿革

このような法的背景は、2008年にいくつかのトライクにおける自動二輪車の保安基準の適用に始まりました。ここで、車両の保安基準が二輪車と同等になり、特定の条件を満たす車両に対しては、以降の運転免許の区分が変更されることが検討されるようになりました。

2009年の初めには、警視庁から法改正の意見を公募し、道路交通法施行規則の改正案が示されました。その結果、同年9月1日から「特定二輪車」が正式に分類され、ヘルメット着用義務や乗車条件の見直しが行われました。

また、免許の取得手続きも再定義され、特定二輪車を運転するための条件が整備されました。2010年9月1日には、経過措置が終了し、すべての運転者が該当する二輪免許を必ず取得する必要がある状況になりました。

特定二輪車の導入は、自動二輪に関連する利用の幅を広げるだけでなく、安全な運転環境を整えることにも寄与しています。これにより、トライクに興味を持つ人々からの関心が高まっている現状と言えるでしょう。

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