特捜サイコップ

『特捜サイコップ』は、松本久志によって『少年キャプテン』に1991年に連載された漫画作品です。徳間書店から全2巻の単行本として刊行されています。

あらすじ

物語は、凶悪犯罪が多発する世界を舞台に展開されます。その背後には、秘密組織クライムギルドの暗躍がありました。クライムギルドは、犯罪者たちに安価で武器やノウハウを提供し、犯罪を助長していました。この脅威に対抗するため、特殊な体質を持つ捜査官だけを集めた特殊捜査チーム「サイコップ」が結成され、クライムギルドとの戦いに身を投じていきます。

サイコップのメンバー

斬馬翔（ざんばしょう）
仁科の分家である斬馬家の息子で、現代に生き残った忍者。実家が畳屋を営んでいるため、手裏剣の代わりに畳針を使うことがあります。ピンチになると、火薬で周囲を爆破して逃げる「微塵隠れの術」を使う癖があります。

自身の意思と自己催眠で大脳新皮質を抑制し、一時的に超人的なパワーと敏捷性を発揮する「覚殺（かくさつ）」という技を使います。しかし、覚殺は一度発動すると自分の意思で解除できない危険な技です。使用する拳銃はエンフィールドNo.2MKI。

災葉洸（さいばあきら）
仁科の分家で、からくりの研究に力を入れてきた災葉家の息子。バイク事故をきっかけに、父親によって全身に機関銃や小型ミサイル、ナパーム弾、仕込み刀（サイバブレード）などを埋め込まれた武装サイボーグとなりました。800馬力のパワーを誇ります。少女漫画家を目指しており、「美形は正義」をモットーとしています。サイボーグであることに、ややコンプレックスを感じています。使用する拳銃はベレッタM92B-F。

不知火冴子（しらぬいさえこ）
吸血鬼と人間のハーフ。ボンデージファッションに身を包んだダイナマイトボディの美女。深夜の徘徊が趣味で、昼間は機嫌が悪いことが多いです。使用する拳銃はシグ・ザウアーP220。

霧崎健（きりさきけん）
御魂部一族の秘術「御魂還り」によって、生前とは正反対の性格で蘇った元ヤクザのゾンビ。昭和40年代のギャグを好みます。魂が宿った日本刀には「私の魂」と彫られています。通称は「切り裂きの健」。名前の元ネタは、ゲーム『ウィザードリィ』に登場する武器「切り裂きの剣」です。

仁科警視
サイコップの指揮官。実家の銭湯「円谷湯」がサイコップの基地となっています。クライムギルドの脅威にいち早く気付き、サイコップを設立しましたが、捜査権も逮捕権もない遊撃隊として黙認されるに留まっています。

仁科沙織（にしなさおり）
仁科姉妹の姉で、仁科家の主婦役。

仁科香織（にしなかおり）
仁科姉妹の妹で、翔と洸の幼馴染。「緋の巫女」の力を持っており、人の心に触れることができます。

警視庁

鬼頭耕平（きとうこうへい）
警視庁警備部部長。対テロ部隊オメガフォースを組織しました。サイコップを嫌っていますが、警察が手出しにくい事件の場合には、「情報屋のジョー」と名乗ってサイコップに情報を提供し、事件解決を促すことがあります。

クライムギルド

死藤凱（しどうがい）
クライムギルドの支配人。バラの香りをまとう黒マント姿の美形。作中では、自らが死神であることを暗示する描写があります。

サイクリミナル

死藤がサイコップに対抗するために編成した特殊攻撃チーム。「PSY=COP」に対抗した「PSY=CRIMINAL」という意味合いですが、「リサイクル」のもじりでもあります。

疾風（ハヤテ）
痛覚を取り除き、身体能力や反射神経を常人の5倍に強化したブーステッド・マン。鉄火重工業製の強化人間BM11。バーサーカー化することで翔を圧倒するほどの能力を発揮しますが、暴走状態のため制御が難しいという欠点があります。小学生時代に盲腸炎で早退した友人を送った際、友人の痛みにトラウマを抱えています。

ペガス
鉄火重工業がボルテッカー計画として製造した武装歩行兵器。コード番号はWWF028。強力なパワーと内蔵火器で洸を苦しめます。操縦者は死藤の秘書である氷室涼。コクピットは射出式の脱出ポッドになっています。機体性能は高いものの、操縦者への肉体的負荷が大きいため、実用化には至りませんでした。

ノーマ＝ショウ
金髪碧眼の女吸血鬼。元DIA工作員で、ペンタゴンの被験体MJ13Vとして扱われていました。冴子とその弟・爆人（『紅いバースト』の主人公）に恨みを持っています。冴子を吸血し支配しようとしますが、寸前でペンタゴン時代の部下ザルドスによって阻止されます。

* 妖刀「村正」
「腐」の力を持つ日本刀。ハイチのヴードゥー呪術で製作されたゾンビとセットで運用されます。霧崎健に致命的なダメージを与えました。

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