特捜戦隊デカレンジャー 10 YEARS AFTER

特捜戦隊デカレンジャー 10 YEARS AFTER

『特捜戦隊デカレンジャー 10 YEARS AFTER』は、2015年10月7日にリリースされたオリジナルビデオ作品です。略称は『デカ10』と呼ばれています。

この作品は、『忍風戦隊ハリケンジャー 10 YEARS AFTER』に続く、スーパー戦隊Vシネマ「10 YEARS AFTERシリーズ」の第2弾として制作されました。2004年から2005年にかけて放送された「スーパー戦隊シリーズ」第28作目『特捜戦隊デカレンジャー』の続編であり、テレビシリーズ終了から10年後の物語が描かれています。本編時間は47分となっています。

前作『爆竜戦隊アバレンジャー』の同企画が実現しなかったため、本作品に持ち越される形となりました。企画は、テレビシリーズのプロデューサーを務めた塚田英明氏と土田真通氏が中心となってまとめられました。テレビシリーズ終了後、塚田氏は『科捜研の女』、土田氏は『相棒』と、それぞれ刑事ドラマを担当していたことから、本作品では本格的な刑事ドラマ寄りの作風が採用されました。企画段階では、江成仙一役の伊藤陽佑氏やドギー・クルーガー役の稲田徹氏もプロットを提出し、内容の一部が作品に反映されています。ストーリーは、テレビシリーズでは描かれなかった刑事ものの要素として「護送劇」が選ばれました。荒川稔久氏による初期のプロットでは、「宇宙検事」の登場も構想されていました。

ロボットやコックピットの映像の一部は、BD-BOX用にリマスターされたテレビシリーズの映像が流用されています。デカウイングロボを登場させる案もありましたが、尺の都合から実現には至りませんでした。

オリジナルキャラクター

アサム・アシモフ / ネオデカレッド
シンボルナンバー：1
ファイヤースクワットに転属したバンの後任として配属された地球人の新米刑事。赤いメッシュが入った髪が特徴。
表向きは礼儀正しく、先輩を敬い、民間人に優しく接する模範的な刑事だが、本性は欲深く冷酷で粗暴な性格。レイドリッヒに手引きされ、刑事のふりをして地球署に潜入し、アリエナイザーと結託して情報を横流ししていた。キャリーを囚え、レイドリッヒの元へ連行した。旧デカレンジャーたちを「老兵」と見下している。
スワットモードを標準装備とし、ディーリボルバーを使用する。
最終決戦でデカレッドに変身し、ブルーとグリーンに敗北。ムギと共にレイドリッヒのネオハイパーマッスルギアのエネルギーとして吸収される。
名前の由来はアッサムティー。

ムギ・グラフトン / ネオデカイエロー
シンボルナンバー：4
育児休暇中のジャスミンの後任として配属されたリバーシア星人の新米刑事。黄色いメッシュが入った長い髪が特徴。
アサムとは対照的に、先輩に対しても生意気な口を利く。アサム同様、レイドリッヒの部下で犯罪者。他人に関心がなく、利害のみを追求する残虐で欲深い性格を隠している。
変身時はネオデカレッド同様、スワットモードを標準装備し、ディーリボルバーを使用する。
最終決戦でデカイエローに変身し、イエローとピンクに敗北。アサムと共にネオハイパーマッスルギアのエネルギーとして吸収される。

カイト・レイドリッヒ / アリエナイザーX
宇宙警察・銀河系管区警察局の局長。
厳格な局長として振る舞う一方で、裏ではアリエナイザーXとして宇宙マフィアのキュルリアンファミリーと内通し、悪事を働く最重要級のアリエナイザー。
ドギーに重傷を負わせ、ミラージュディメンションでドギーに変装してマフィアの連中と一般人を殺害し、その罪をドギーに擦り付けた。キャリーを始末しようと、アサムとムギを使い護送中のキャリーを狙う。
バンの作戦で正体を暴かれ、クローン再生させたアブレラやアサム、ムギを率いてネオハイパーマッスルギアを装着し、デカレンジャーと戦うが敗北し、デリートされる。
警察局局長としての姿と、巨大な角を持つアリエナイザーXとしての姿を持つ。
名前はドイツ語で「正直」を意味する「Redlichkeit」のアナグラム。

キャリー
他人の体に潜り込む能力を持つクレメント星人の少女。
2年前、レイドリッヒの悪行を目撃するが、父親に守られて助かる。重傷のドギーから「警察も信じるな」「信じて良いのは地球署の刑事たちだけだ」と言われる。
レイドリッヒの追手から逃れて地球にやってきた。レイドリッヒに命を狙われるが、バンの作戦で無事に護送され、ドギーの無実を証明する。
企画当初はぬいぐるみのキャラクターとして考えられていた。

用語

ネオデカベース
最新技術で建造された新しい地球署。入り口はデカベースロボの頭部を模している。
10年前のデカベース乗っ取り事件を考慮し、施設は全て地下に移されている。

ゴワシチョル星系
アリエナイザーのジャッジメントが行われる宇宙検察所と宇宙最高裁判所が存在する星系。
シオン・モウ・ロス現象により、時間の流れが地球の200万分の1となっており、ジャッジメントの10秒間はおよそ8ヶ月となる。
名称は検察庁から薩長を連想し、薩摩と長州の方言を掛け合わせて命名された。

キャスト

テレビシリーズのレギュラー陣が再集結。

赤座伴番 - さいねい龍二
戸増宝児 - 林剛史
江成仙一 - 伊藤陽佑
日渡茉莉花 - 木下あゆ美
胡堂小梅 - 菊地美香
姶良鉄幹 - 吉田友一
アサム・アシモフ - 栩原楽人
ムギ・グラフトン - 秦瑞穂
キャリー - 小林里乃
キャリーの父 - 筒井巧
日渡氷狩 - 上村祐翔
白鳥スワン - 石野真子

声の出演

ドギー・クルーガー - 稲田徹
アブレラ - 中尾隆聖
イーガロイド - 中井和哉
カイト・レイドリッヒ - 小山力也
マイケル・マイクソン - ささきいさお
ナレーター - 古川登志夫

スーツアクター

デカレッド - 福沢博文
デカブルー、マイクル・マイクソン - 高田将司
デカグリーン - 竹内康博
デカイエロー - 橋本恵子
デカピンク - 小島美穂
デカブレイク - 浅井宏輔
ネオデカレッド - 蔦宗正人
ネオデカイエロー - 内川仁朗

その他多数

スタッフ

原作 - 八手三郎
エグゼグティブプロデューサー - 加藤和夫（東映ビデオ）
プロデューサー - 中野剛（東映ビデオ）、塚田英明・土田真通（東映）、矢田晃一（東映エージエンシー）
脚本 - 荒川稔久
音楽 - 亀山耕一郎
撮影 - 岩崎智之
照明 - 堀直之
美術 - 大谷和正
編集 - 柳澤和子
録音 - 和久井良治
スプリクター - 髙山秀子
助監督 - 須上和泰、谷本健晋、松井貴
制作担当 - 喜多智彦
ラインプロデューサー - 佐々木幸司
制作 - 東映、東映チャンネル、東映エージエンシー、東映ビデオ
アクション監督 - 清家利一（ジャパンアクションエンタープライズ）
監督 - 竹本昇

音楽

主題歌

「ミッドナイト デカレンジャー 10 YEARS AFTER」
作詞：藤林聖子 / 作曲：高取ヒデアキ / 編曲：亀山耕一郎 / 歌：ささきいさお
テレビシリーズのエンディングテーマ「ミッドナイト デカレンジャー」のリメイク。

挿入歌

「特捜戦隊デカレンジャー 10 YEARS AFTER」
作詞：吉元由美 / 作曲：宮崎歩 / 編曲：京田誠一 / 歌：サイキックラバー
* テレビシリーズのオープニングテーマ「特捜戦隊デカレンジャー」のリメイク。

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