特殊作戦司令部 (フランス軍)

特殊作戦司令部 (COS)

フランス軍の特殊作戦司令部（Commandement des opérations spéciales、略称: COS）は、フランス国防省の指揮の下で陸・海・空の各部隊の特殊任務を統括し、さまざまな任務を遂行するための組織です。特に湾岸戦争後に設立され、各軍の特殊部隊を効果的に統合し、調整することを目的としています。COSは、国家憲兵隊を含めた四軍の特殊部隊を指揮しており、統合参謀総長（CEMA）の指導のもと、国内外での複雑な状況に対応しています。

背景と歴史

COSが設立された背景には、フランスの旧植民地での反乱や紛争の影響がありました。特にコモロ連邦共和国は、1975年に独立したものの、その後も内戦や政治的不安定に悩まされていました。1992年、フランスは治安維持のために第1海兵落下傘連隊を派遣し、任務の円滑な遂行を保障するための統括組織の必要性から、特殊作戦司令部を創設しました。モーリス・ルパージュ中将が初代司令官に就任し、その後、COSはさまざまな国際的な任務にも従事していきます。

1992年のソマリア内戦や1993年のルワンダ内戦へのPKO参画、さらにはザイール内戦でのフランス人救出作戦など、COSはフランスの国際的な任務において重要な役割を果たしてきました。ヨーロッパでの活動としては、ボスニア内戦におけるPKOにも参加し、その活動範囲は広がっています。

組織と構成

COSは、設立当初から陸・海・空の各部隊を統合する形で構成されています。以下にその主な部隊を示します。

第1段階

• - 陸軍：特殊作戦旅団、特殊作戦航空分遣隊、第1海兵落下傘連隊、第13竜騎兵落下傘連隊
• - 海軍：フュージリア海兵作戦コマンド(FORFUSCO)、複数の海軍コマンドー
• - 空軍：第10落下傘コマンドー、特殊作戦団

これらの部隊は、必要に応じて柔軟に配置転換される形で任務にあたります。

第2及び第3段階

• - 陸軍には、より高度な特殊部隊が配置されており、第11落下傘旅団や特殊介入群なども含まれます。また、国家憲兵隊も特定の任務を担う重要な部隊として活動しています。

COSは、これらの部隊の力を結集し、迅速かつ効果的に任務を遂行できる体制を整えています。これによって、国際的な危機管理や治安維持活動に貢献し続けています。

結論

特殊作戦司令部は、フランス軍の重要な組織として、各国での治安維持や人道的な任務において中核的な役割を果たしています。その活動は、国際社会におけるフランスの地位を強化するだけでなく、世界の平和と安定に寄与しています。

もう一度検索