ソマリア内戦

ソマリア内戦の概要

ソマリア内戦は、1980年代から続く同国の激しい内戦です。この紛争は、多様な政治的利益と氏族対立が複雑に絡み合い、数十年にわたって続いています。内戦の始まりは、1969年にアブディラシッド・アリー・シェルマルケ大統領が暗殺されたことにさかのぼります。

はじまりと経緯

シェルマルケ大統領暗殺後、モハメド・シアド・バーレ少将が軍事クーデターにより政権を掌握しました。バーレはアフリカ全体のソマリ人の国家統合を目指す「大ソマリ主義」を推進し、これが他の氏族との対立を深めることになりました。特に、オガデン戦争（1977-1978）では、エチオピアに住むソマリ人が独立を求めたことがソマリアとエチオピアの間での軍事衝突を引き起こしました。

バーレ政権の北部氏族への偏重と南部氏族の優遇も、氏族間の経済的格差を生む要因となり、内戦が進展する契機となりました。1980年代に入ると、反政府勢力が結集し、武装闘争が展開されるようになります。

内戦の進行と国際的介入

1988年以降、反政府勢力は都市を奪取し始め、1991年にはソマリ人の統一政権が首都モガディシュを制圧しました。新たにアリ・マフディ・ムハンマドが首脳に就任しましたが、各勢力の対立が続き、その混乱の中でソマリランドとして知られる地域が独立を宣言します。バーレは亡命し、1995年に死去しました。

その後も国連は関与を試みたものの、1993年のモガディシュの戦闘で米国兵士が死傷する事態が起こり、国際社会の関与は限られました。1995年には国連が撤退し、戦闘が泥沼化する状況が続きます。

近年の動向

2000年代に入ると、様々な武装勢力が登場し、特にイスラム法廷会議（ICU）が力を増しました。彼らは厳格なイスラム法に基づく支配を強化し、国内の治安を一時的には改善させたものの、国際テロリストとの関与が疑われ、再び国際的な緊張を引き起こしました。

2006年には、エチオピアが暫定政府を支援するために侵攻し、激しい戦闘が生じました。さらに、米軍の介入やアフリカ連合による平和維持軍の派遣が行われますが、地元の武装勢力は反発を強めます。

政府の成立と現在

2012年には新たな政府が設立されましたが、依然としてアル・シャバブなどの過激派組織の活動が続き、テロ事件が相次いでいます。最近の情報では、ソマリア一帯での安定化が進んでいるものの、国土の分裂状態や地域間の対立は続いています。特に、ソマリランドやプントランドといった自治地域の独立志向は、国家の再統一を難しくしています。ソマリア内戦は太平洋を越えて関与する国々の利益にも影響を与えており、解決への道筋は未だ見えていません。

結論

ソマリアの内戦は、歴史的、社会的、経済的要因が複雑に絡み合った深刻な問題で、今後も国際社会が注目する必要があります。この地域の安定化は、周辺国にとって重要であるため、注意深い対応が求められます。

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