特殊慰安施設協会

特殊慰安施設協会（RAA）について

特殊慰安施設協会、英語ではRecreation and Amusement Association（RAA）は、第二次世界大戦後の日本において、占領軍のために設立された慰安所を中心とした団体です。占領下の日本では、強姦や性暴力の被害を減少させるために、このような慰安施設が必要とされました。

設立の背景

特殊慰安施設協会の設立は、アメリカ軍の進駐による日本国内での性的暴力の増加を懸念した日本政府からの要請により始まりました。1945年8月には、占領軍による性犯罪の被害が多発したため、政府は「愛国心のある女性」を募り、連合軍専用の慰安所を設置する方針を打ち出しました。これにより、約53,000人～55,000人の女性が働くことになりました。

RAAの運営と構造

RAAの慰安所は主に東京を拠点に設置され、その後も全国各地で運営が行われました。東京都内だけでも数十の慰安所が開設され、占領軍の将兵に対する「防波堤」としての役割を果たしました。施設の設立および運営資金は大蔵省の出資や日本勧業銀行からの融資に依存しており、政府との密接な関係を示しています。

慰安婦たちは一般の女性たちであり、彼女たちの募集は新聞広告を通じて行われました。広告には「宿舎、衣服、食料すべて支給」とあり、無数の女性が応募しましたが、その内容を知ると去っていく者も多く、当初の予定通りにはいかなかったとのことです。実際に働くことになった女性たちは、一日あたり30人から50人の客を取るほど働かされました。

性的暴力の現状

RAA設立後にも、進駐軍による性的暴力は続きました。慰安所が開かれたその瞬間から、軍人による強姦事件が後を絶たず、日本の法律や警察の介入も非常に難しい状況でした。当時の報告によると、RAAの慰安所が開業される前に、すでに数多くの女性が進駐軍兵士によって被害を受けていました。

特に占領初期に発生した強姦事件の数は、相当なものであり、内務省はこの問題に対して何らかの対策を講じなければならず、RAAが設立されることになりました。しかし最大の目的であった「日本女性の貞操を守る」という理念は、必ずしも実現されることがありませんでした。

RAA廃止とその後

1946年にはGHQのポツダム命令によって公娼制度が廃止され、その影響もあってRAAの活動は終焉を迎えました。多くの女性は代替の職を失い、その後は街娼や風俗業に身を投じることになりました。RAAの廃止後も占領軍による犯罪は続き、それに関連する事件は日本社会の暗い歴史として残っています。

まとめ

特殊慰安施設協会は、戦後日本における苦い歴史を象徴する組織の一つです。その設立は性犯罪の防止を目的としましたが、残念ながら、当初の目的は達成されず、多くの女性たちは悲劇的な運命をたどりました。このような背景を知ることは、我々が歴史を学ぶ上で重要です。

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