特殊戦力師団

虎部隊（Qawat Al-Nimr）

「虎部隊」として通称されるこの部隊は、正式名称Qawat Al-Nimrで、シリア軍における特殊部隊の一つです。シリア内戦が始まった2013年に設立され、その後、共和国防衛隊や第4機甲師団と並び、高い戦闘能力を誇る精鋭部隊として活躍してきました。特にアレッポの戦いを含む重要な戦線に投入され、戦果を挙げているものの、部隊員の数が限られているため、同時に多方面へ展開することが難しいという課題があります。また、2015年9月のロシア軍の介入以前は反体制派を完全に抑え込むことはできませんでした。

部隊は「師団」と名乗っていますが、指揮官スハイル・アル＝ハッサンが当初は大佐の階級で指揮していたことから、実際の規模は連隊または大隊に近いと考えられています。2020年には第25師団への名称変更が行われ、共和国防衛隊の配下部隊の一つと位置付けられましたが、指揮官は引き続きアル＝ハッサンが務めており、「虎部隊」という名称も引き継がれています。

沿革

虎部隊は2013年秋にその形成が始まりました。スハイル・アル＝ハッサン大佐は、シリア軍中央軍司令部の特別プロジェクトのリーダーとして、攻撃的な特別部隊を訓練・指導する任務に就きました。このとき、虎部隊の兵士が選ばれ、特訓を受けることになりました。

この部隊は、2015年12月25日に大きな成果を上げ、ISからのクワイリス軍事空港の解放に貢献したことで、アル＝ハッサンは准将に昇進しました。また、2016年にはアレッポの戦いにおいても重要な指揮を執り、シリア軍の奮闘に寄与しました。

ロシア軍の介入後、虎部隊はロシアから各種の装備を支援され、AK-74Mや1P87コリメータ、さらにはタイ90戦車などの火器も配備されました。部隊の戦術は、敵兵の弱点を突くために複数の軸からの偵察を行い、その後機械化兵力を集中させ、軽装歩兵を伴って敵の占領地域を制圧するというもので、成功を収めています。

2019年8月、部隊は第25師団へと改名され、共和国防衛隊の指揮下に入ることとなりましたが、その戦闘力は依然として高く評価されています。

下部組織

虎部隊には複数の特殊部隊や群が存在し、その活動は多岐にわたります。主な部隊としては以下が挙げられます：

• - Cheetah Forces（Qawat al-Fahoud）：虎部隊の一部として、特定の作戦に従事。
• - Panther Forces：同様の性質を持つ部隊として知られ、再編成が行われている可能性も指摘されています。

このように、虎部隊はシリア内戦の複雑な情勢の中で、重要な役割を担っています。

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