特許庁 (大韓民国)

大韓民国の特許庁について

大韓民国における特許庁は、工業所有権に関する事務や審査、そして審判を担当する国家行政機関です。これは産業通商資源部に所属し、経済活動を支える重要な役割を果たしています。特許庁の機能は、発明や商標、意匠などの知的財産権の保護を通じて、国内外の研究開発や企業活動を活性化させることを目的としています。

沿革の概要

特許庁の歴史は1949年まで遡ります。この年の5月23日、商工部の外局として特許局が設立されました。1961年には特許局設置法が制定され、特許行政の制度的基盤が作られました。1977年には特許局が商工部の外庁に改編され、特許庁という名称となりました。1979年には韓国が世界知的所有権機関（WIPO）に加入し、その後1980年にはパリ条約、1984年には特許協力条約（PCT）への加入が果たされました。このように韓国の特許庁は国際的な知的財産権保護の枠組みに積極的に参加してきました。

1994年には発明振興法が制定され、特許庁の機能が強化されました。1998年には本庁の所在地がソウル特別市から大田広域市に移転し、特許審判院が設立されました。さらに、1999年1月には「特許ネット」システムが始動し、オンラインでの特許情報の管理が可能となりました。このような歴史的な変遷を経て、特許庁は現在の形に至りました。

特許庁の役割

特許庁の主な業務は、特許、実用新案、意匠、商標などの知的財産権に関する審査および審判業務です。特許権の出願を受け付け、その正当性を審査し、さらに権利の侵害に関する審判を行います。また、知的財産を保護するための政策策定や法令の整備にも貢献しています。

所在地と組織構成

特許庁は大田広域市西区屯山洞920番地、政府大田庁舎内に拠点を構えています。組織は庁長をはじめ、代弁人や次長、監査担当官などが配され、専門の審査部門が存在します。その下部組織には運営支援課や企画調整官、産業財産政策局などがあり、広範な業務を円滑に進めています。

特許審判院や国際知識財産研修院、ソウル事務所も特許庁の主要な所属機関であり、それぞれが特定の役割を担っています。特許審判院は特許や商標等の審判業務を行い、国際知識財産研修院では公務員や企業向けに知識財産教育が不可欠となっています。ソウル事務所では特許技術情報の提供を行い、 知的財産権に関する実務を支援しています。

関連情報

一方、特許庁の運営においては、韓国発明振興会や韓国特許情報院といった傘下団体が補完的な役割を果たしています。これらの機関との協力により、特許庁は国内外の知的財産権の保護と振興に努めており、国の発展に寄与する重要な存在となっています。

もう一度検索