犬山市立図書館

犬山市立図書館は、愛知県犬山市にある公共図書館の総称です。本館に加え、分館として楽田ふれあい図書館があります。図書館は地域住民の学習・研究活動を支える拠点として、様々な取り組みを展開しています。

歴史

開館前

1954年、犬山町を含む1町4村が合併し犬山市が誕生しました。1970年には、犬山市福祉会館内に図書室が設置されました。1982年には図書館建設調査委員会が設置され、1985年には建築設計競技を経て和設計事務所が設計者に選出されました。1990年7月には、犬山警察署跡地に図書館が竣工し、蔵書24,137冊の移転作業が行われました。

開館後

1990年10月1日、犬山市立図書館が開館しました。初代館長には、名古屋市守山図書館や津市図書館で館長を歴任した伊豆令三氏が就任しました。開館時の蔵書数は約10万冊で、開館から7日間で約3900人が利用しました。開館当初は児童の利用が多かったものの、その後は年配者や高校生の利用が増加しました。

開館後、開館時間の変更や視聴覚資料の館外貸出開始など、様々なサービスが拡充されました。開館1周年を記念して、講演会や国際理解講座、読み聞かせ教室などが開催され、地域住民の読書活動を促進しました。また、開館後の1年間で読書グループや読み聞かせ団体が結成され、地域に根差した図書館活動が始まりました。

1993年には霊長類に関する文献を集めた「サル文庫」が館内に設置され、1994年からは祝日開館や館外貸出対象者の拡大が行われました。1998年には、木曽川を隔てた各務原市立中央図書館との間で相互貸借協力が開始されました。2001年には公式ウェブサイトを開設し、楽田小学校内に楽田ふれあい図書館が開館しました。

2004年からは尾張北部広域行政圏協議会を構成する自治体の住民が、他自治体の図書館でも貸出登録手続きを行えるようになりました。2010年には、映画作品や犬山市に関する映像資料を集めた視聴覚資料郷土コーナーが開設されました。2018年には、サル文庫の隣に「犬文庫」が設置され、犬に関する資料が収集されています。

特色

桑原文庫

桑原木材の創業100周年を記念した寄付により、「桑原文庫」が設置されました。この文庫には、『正編・群書類従』やレオナルド・ダ・ヴィンチの複製手稿など、貴重な資料が収蔵されています。特にダ・ヴィンチの手稿は、手袋着用の上で現物に触れることが可能です。

サル文庫

京都大学霊長類研究所や日本モンキーセンターからの寄贈書を中心に、霊長類に関する文献を集めた「サル文庫」は、約750冊の蔵書を誇ります。全国的にも珍しいサルに関する文献の収集に力を入れており、その分野では「サルに関する本は犬山市立図書館」と称されるほどです。

施設

犬山市立図書館本館は、和設計事務所が設計し、熊谷組名古屋支店が施工しました。総工費は22億8000万円で、収蔵能力は20万冊です。館内には、サービスカウンター、児童開架室、閲覧席、AVコーナー、蔵書検索用パソコンなどが設置されています。また、地下には56台収容可能な駐車場があります。

地域図書館

犬山市立図書館は、本館以外に以下の地域図書館を運営しています。

楽田ふれあい図書館

楽田小学校の体育館内に設置された楽田ふれあい図書館は、2001年に開館しました。2020年に体育館の建て替えに伴い、同体育館2階に移転しリニューアルオープンしました。児童コーナーや和室があり、利用者の交流を大切にしています。開館当初は週6日開館でしたが、現在は土日のみの開館となっています。

犬山西小ふれあい図書館（閉鎖）

犬山西小学校内に設置されていた犬山西小ふれあい図書館は、2001年から犬山市立図書館が運用支援を行っていましたが、2014年に運用支援を終了しました。蔵書の大半が児童書であり、土日のみ開館していました。

名古屋経済大学図書館との提携

2001年からは、名古屋経済大学図書館が一般開放され、犬山市民も利用可能となりました。大学図書館は、法律、経済、経営に関する専門書や、幼児教育、栄養教育に関する図書を所蔵しています。犬山市在住者は無料で利用でき、大学図書館入口前のギャラリーは市民に開放されています。

利用案内

開館時間や休館日、貸出に関する詳細な情報は、犬山市立図書館の公式ウェブサイトをご確認ください。

脚注

[参考資料]
犬山市『広報いぬやま』
犬山市教育委員会『平成29年度犬山の社会教育』
犬山市教育委員会犬山市史編さん委員会『犬山市史通史編下近代・現代』
犬山市立図書館『犬山市立図書館概要平成28年度実績』

[外部リンク]
犬山市立図書館公式ウェブサイト

関連項目

愛知県の図書館一覧

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