犬神家の謎 悪魔は踊る

映画『犬神家の謎 悪魔は踊る』について

『犬神家の謎 悪魔は踊る』は、1954年に製作され公開された日本[[映画]]で、東映京都撮影所が制作し、東映が配給を担当しています。この作品は、片岡千恵蔵が演じる金田一耕助シリーズの第5作目であり、横溝正史の小説『犬神家の一族』の映像化としては第1作と位置づけられています。しかし、残念ながら本作のフィルムは失われていると考えられており、現在存在するのはスチル写真のみです。

ストーリーの概要

物語は、金田一耕助が白木静子と共に那須高原に向かう場面から始まります。彼らは列車に乗って旅をしており、そこで大山神主が静子にちょっかいを出すというコミカルな展開が描かれます。物語の中では、キャラクターの名前や関係性がいくつか変更されています。たとえば、佐兵衛が「左兵衛」、佐清・佐武・佐智がそれぞれ「輔清・輔武・輔智」とされています。また、珠世は左兵衛と野々宮大弐の妻との間に生まれた息子であり、若林は古館弁護士の秘書という設定です。

事件の核心に迫るシーンでは、左兵衛と大弐が封じた文書が登場するのですが、実際にはその内容は不明とされています。大山が文書を発見する前に、復員服の男によって強奪され、金田一が取り戻すというアクションが繰り広げられます。また、輔智の殺害後、金田一が集まった人々の中で輔清が姿を現さないとき、納屋から銃声が響きます。そこに登場する静馬は、血を流しており、金田一はその指紋の型が異なることに気づきます。これに続き、緊迫した銃撃戦が展開され、金田一は静馬を捕らえます。

この作品では、犯人の設定は原作と同じですが、遺産の規模が10億円とされ、詳細については触れられていません。ストーリーの中で重要な人物である青沼静馬の母親についての情報も不明であり、謎めいた要素が多く残されています。特に、遺言状開示のシーンでは、輔清が頭巾を取った後、マスクが顔を隠しており、その下が素顔かマスクかが判然としないという独特の演出が施されています。

キャストとスタッフ

本作には多くの俳優が出演しており、金田一耕助役を片岡千恵蔵が務めています。他には白木静子役の喜多川千鶴、犬神松子役の小夜福子、犬神輔清・青沼静馬役の石井一雄などが登場します。スタッフにおいては、監督には渡辺邦男、脚本には高岩肇が名を連ねています。また、原作は横溝正史の『犬神家の一族』がベースとなっており、撮影は渡辺孝が担当しました。

この映画『犬神家の謎 悪魔は踊る』は、日本のサスペンス映画の先駆けともなり、多くの人々に愛され続けています。失われたフィルムがあればさらに多くの人に見てもらえることでしょうが、現存する資料からもこの映画の魅力を感じることができます。

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