犬養道子

犬養道子について

犬養 道子（いぬかい みちこ、1921年4月20日 - 2017年7月24日）は、日本を代表する慈善家、環境活動家、そして優れた小説家です。彼女は、元首相の犬養毅の孫という背景を持つ重要な人物であり、カトリック信徒として信念に基づいた活動を展開しました。

来歴

道子は現在の東京都新宿区四谷に、父犬養健と母仲子の長女として生まれました。教育熱心な家庭で育ち、女子学習院や津田英学塾で学業を修めました。その後、アメリカとフランスに留学し、哲学や聖書学を深く学びました。1950年代には、ボストンやパリで活動をする一方で、NHKや『婦人公論』誌などでジャーナリズムに携わり、広い視野と豊かな知識を持つ知識人として成長しました。

1970年代からはヨーロッパに在住し、環境保護活動や人道支援に尽力します。特に「みどり一本」運動を通じて環境問題に取り組み、また世界の飢餓や難民問題にも深く関与しました。彼女の住んでいたフランスのフェルネ＝ヴォルテールでは、聖書研究と難民支援の活動を両立させました。

1990年代後半には日本に帰国し、麗澤大学などで教壇に立ち、講演や著作を通じて多くの人々に影響を与え続けました。彼女の名誉博士の称号や名誉園長の役職は、その教育者としての功績を物語っています。

著作と影響

道子の著書には、全10巻の『聖書を旅する』や、80代の彼女が若者たちに向けたメッセージを伝える『こころの座標軸』などがあります。彼女の作品は、単なる文学にとどまらず、教育や環境問題、人権問題に深く切り込むものです。

「犬養道子基金」を設立し、イエズス会の難民支援組織「JRS」と連携して多国籍にわたる難民支援活動を展開しました。特にインドシナ、アフリカ、中東での活動は評価され、彼女の情熱は多くの国で困難に直面した人々を助けることに寄与しました。

結び

犬養道子は2017年に96歳でこの世を去りましたが、その影響力や功績は今もなお人々の心に生きています。彼女の生涯にわたる活動は、教育、環境問題、そして人道支援に対する新たな視点を提供し、未来の世代にも引き継がれるべき貴重な遺産です。彼女の教えや活動は、私たちにとって忘れてはならない大切な価値を持っています。

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