狩野永徳

狩野永徳（かのう えいとく）

概要

狩野永徳は、1543年に京都で生まれた安土桃山時代の著名な絵師であり、狩野派の重要な代表人物として知られています。彼の父は狩野松栄であり、祖父は狩野元信です。永徳の法号は源四郎、贈ったその名は州信（くにのぶ）です。彼は豊臣秀吉や織田信長などの天下人に仕え、多くの障壁画を制作しました。この時期、永徳は狩野派の棟梁として、日本美術に大きな影響を与えました。

彼が手掛けた作品には『唐獅子図屏風』や『洛中洛外図屏風』などがあり、これらは彼の芸術性と技術力を証明するものです。永徳は、特に雄大で豪快な大画を得意としつつも、繊細に描写された「細画」も制作しました。

生涯

永徳の初めての記録は、1552年の足利義輝への拝謁に関するもので、このとき彼はおそらく10歳でした。彼の少年期には、裕福な家柄の近衛家との関係も深く、1567-68年にはその邸宅で障壁画を描いています。

1571年、大友宗麟の招きで土佐国を経由し豊後国に下向し、臼杵丹生島城の障壁画を完成させます。1576年からは、安土城の障壁画を手掛け、1583年には大坂城の障壁画をも担当。その後も、天正年代には後陽成天皇の内裏の障壁画など多数の重要な作品を残しました。

永徳は、労働の過多から来る病にかかり、1590年に亡くなります。享年48。彼の死因は過労死であった可能性が高く、作品の完成を弟子に託しました。

代表作

• - 聚光院障壁画：国宝に指定されているこの作品は、永徳が父松栄とともに描いた障壁画です。制作時期については異論がありますが、通常は天正11年（1583年）頃とされています。
• - 上杉本洛中洛外図屏風：国宝であるこの屏風は、当時の京都の市街と郊外を詳細に描いており、描かれた人物は約2,500人に及ぶことからもその重要性が伺えます。異なる見解に基づき制作年代が議論されている作品です。
• - 唐獅子図屏風：秀吉が本能寺の変を聴き、毛利輝元に贈ったとされるこの作品は、その大きさと豪快さで知られ、高松城で結ばれた講和の証としての伝承があります。

永徳の影響

狩野永徳は、狩野派の発展に多大な貢献をし、後の多くの絵師たちへの影響を与えました。彼の作品は、桃山文化の象徴であり、日本の美術において重要な位置を占めています。

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