独立大学・学校認定協議会

独立大学・学校認定協議会 (ACICS) について

独立大学・学校認定協議会（ACICS）は、かつてアメリカ合衆国の教育省から公認を受けていた高等教育認証機関であり、主に非営利の教育機関を対象に認証を行っていました。2017年までには、高等教育アクレディテーション協議会（CHEA）からも承認されていたことから、教育界において一定の信頼を得ていた組織とも言えます。

歴史的背景と設立

ACICSは、アイオワ州デモインでCapital City Commercial Collegeの学長であったベンジャミン・フランクリン・ウィリアムズの提案により設立されました。当初から、ACICSは遠隔教育や従来型の学部教育を提供する多くの高等教育機関に認証を与え、その認証対象となった機関数は245団体にも及びました。こうした機関は学位授与を行うことが許可されており、専門的な教育や訓練を重視したカリキュラムを提供していました。

政府による調査と認証の取り消し

2010年には、アメリカ合衆国議会による営利教育の調査が行われ、ACICSはその結果として、認証を受けた学校における学生の保持率が75%以上であることを求めていると報告しました。しかし、2015年には、ACICSが認証を与えていたコリンシアン・カレッジズが急遽破産し、これによりACICSは厳しい scrutinyの対象となりました。特に、数名の州検事総長が教育省に対してACICSの認可を取り消すよう求め、教育省もその後調査を強化しました。

2016年には、ITTテクニカル・インスティテュートが同様に問題に直面し、ACICSに対する批判が高まる中、教育省は最終的にACICSへの認定を取り消す勧告を行いました。2016年9月、教育省官僚からACICSに宛てた書簡により、全国的に認定された資格を失うことが通知されましたが、ACICSはその決定に対して異議申し立てをし、さらに訴訟を起こしました。

認証機関としての苦難と財政的困難

その後も訴訟の影響などから、ACICSは次第に多くの教育機関との関係を失い、経済的な困難に直面することになりました。2019年には210万ドルの損失が報告され、ACICSの財政状況は厳しくなったとされています。さらに、2020年にはACICSが認証を行っていた教育機関が存在しないなど、多くの問題が指摘されるようになりました。

再び認定取り消しへ

2021年に新たに就任したバイデン大統領のもと、教育省は再度ACICSの認定を取り消す方向で動き出し、2022年にはついにその認定を取り消されました。この際、ACICSが認証していた機関は27校にのぼり、在学生数は5000人以上に達していました。ACICSのウェブサイトは、その後2024年3月に認証活動を正式に終了する告知を行い、続いてリンクが切れるなど、その活動は終息を迎えることとなります。

このように、ACICSは過去の栄光と現在の困難を抱えながら、アメリカの高等教育において一時代を築いた組織でしたが、様々な問題によりその地位を失うことになったのです。

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