独立準備調査会

独立準備調査会について

独立準備調査会（どくりつじゅんびちょうさかい）は、1945年に設立されたインドネシア独立に向けた重要な機関です。この機関の主な目的は、独立に向けた政体や領域などの諸問題を調査し、議論を行うことでした。

設立の背景

独立準備調査会は、大日本帝国の軍政下にあったインドネシアで、国の独立に向けた具体的な措置として、1945年3月1日に設置されました。この機関の設立は、小磯声明の一環であり、インドネシア人による自主的な調査活動を通じて、独立の基盤を築くことを目指していました。

会議と委員の活動

設立されてから約2ヶ月後の1945年5月28日、独立準備調査会の発会式が行われ、翌日から第1回会議が開催されました。この会議では、スカルノ、ハッタ、スバルジョをはじめとする約60名の委員が参加し、インドネシアの未来について熱心な議論が交わされました。彼らは旧オランダ領東インド全域を包括する単一共和国の建設を目標とし、独立に向けた道筋を具体化していきました。

特に注目すべき点は、スカルノによる「独立インドネシアの基礎について」の演説が行われたことです。この演説は後に『パンチャシラ（建国五原則）の誕生』と題され、インドネシアにおける共通の価値観を形成する重要な礎となりました。

憲法の草案作成

第1回会議の後、スカルノ、ハッタ、スバルジョら9名の委員は、1945年6月22日に憲法序文の草案であるジャカルタ憲章をまとめました。この草案は第2回会議において討議され、憲法制定小委員会が設置されて草案の作成が進められました。

憲法草案起草特別委員会が作成した草案は、総会で慎重に審議された後、最終的に完成を見ました。この成果は、その後設立された独立準備委員会に引き継がれ、インドネシア独立の土台となる重要な文書となりました。

まとめ

独立準備調査会は、インドネシアの独立に向けての歴史的な歩みを示す機関であり、国民が一丸となって未来像を描いた場でした。ここでの議論や決定が、インドネシアが独立する上での基盤となっていったことは、今なお多くの人々にとって重要な記憶として残っています。

この調査会の活動を通じて、インドネシアは独自の方向性を持った国家として生まれ変わり、自己決定の権利を確立していく過程が見られます。

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