独立系ファイナンシャルアドバイザー

独立系ファイナンシャルアドバイザー（IFA）とは

独立系ファイナンシャルアドバイザー（IFA）は、金融機関に縛られず、客観的な立場からお客様に対して多様な金融商品を紹介する専門家です。特にイギリスやアメリカで発展したこの職業は、独立性を保つことで、その客観的かつ公正なアドバイスを提供することが大きな特徴です。

IFAの役割と特徴

IFAは、顧客のニーズやライフプランに基づき個別かつ具体的な金融商品の提案を行います。この職業は、ファイナンシャル・プランナー（FP）とは異なり、金融商品仲介業者としての側面を持ち、実際に商品の購入契約などをサポートします。IFAは、顧客の家族構成、年齢、収入、支出、投資状況などを詳細に調査し（これを「factfind」と呼びます）、その結果に基づいて資産設計を行います。さらに、不動産や相続、税金、法律の問題に関しても助言を行うことがあります。

歴史的背景

この職業は、イギリスで1988年に始まりました。当時、政府によってファイナンシャルアドバイザーが単一の金融機関に属するか独立するか選択を強いられたことがきっかけで、「独立系ファイナンシャルアドバイザー」という名称が誕生しました。業務は厳格な規制下に置かれており、資格要件を満たした上で діяльностьを行う必要があります。各アドバイザーは、金融行為規制機構（FCA）に登録された会社に所属する代表者である必要があります。

各国におけるIFAの動向

イギリス

イギリスでは、IFAの業務は厳しく規制されており、FCAによって資格と能力の要件が定められています。2000年の金融サービス・市場法により、すべてのファイナンシャルアドバイザーは正式に認可を受ける必要があります。2012年の改革以降、IFAは投資商品の販売に関してコミッションを受け取ることができなくなり、顧客との合意に基づく料金制を導入しました。この結果、アドバイスがより純粋で透明性を持つものになり、IFAの役割はより重要視されています。

アメリカ

アメリカでは、2017年時点で約12万人のIFAが活動し、多くのIFAは、大手証券会社の営業から転身した経歴を持っています。この国のIFAは、特に投資顧問業者（RIA）としての側面が強く、顧客にアドバイスを行う際には、利益相反についての開示が義務付けられています。顧客の利益を最優先に考えることが求められています。

日本

日本においては、IFAになるために特別な資格は必要ありませんが、金融商品仲介業者としての登録が求められます。日本のIFAは1990年代後半から2000年代初頭の金融ビッグバンをきっかけに生まれ、2007年の金融商品取引法改正により、その役割が強化されました。現在、日本では独立した立場で資産運用のサポートを行うIFAへの期待が高まっていますが、まだその数は678名と限られています。日本のIFAは、アメリカの独立ブローカー・ディーラー（IBD）に近い立ち位置におり、主に金融商品の仲介を行います。

まとめ

独立系ファイナンシャルアドバイザー（IFA）は、金融商品に対する独自の視点と豊富な知識を持っており、顧客のニーズに基づく最適な金融商品のアドバイスを提供します。各国における規制や役割の違いはありますが、IFAの存在は、金融分野において顧客にとって非常に重要で信頼できるパートナーとなります。

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