狼と獅子

あらすじ

『狼と獅子』は、HBO制作のファンタジードラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』シーズン1の第5話であり、物語が大きく動き出す重要なエピソードです。このエピソードでは、エダード・スタークが前任の〈王の手〉の死因を調査する中で、王都キングズランディングでの権力闘争が激化し、ティリオン・ラニスターの逮捕が物語に大きな波紋を広げます。タイトルは、スターク家の紋章である狼と、ラニスター家の紋章である獅子を象徴しており、両家の対立が物語の軸となっていることを示唆しています。

〈谷間〉
キャトリン・スタークは、ティリオンを捕らえ、妹のライサが治める高巣城へ向かいます。道中、野蛮人に襲撃されるも、ティリオンの機転で難を逃れます。高巣城では、精神的に不安定なライサと再会。キャトリンは、甥のロビンが8歳になっても母乳を飲んでいることに驚きます。ティリオンは、夫の死の共犯者としてライサによって〈天空房〉に監禁されます。

〈北部〉
ウィンターフェルでは、シオン・グレイジョイが、娼婦にティリオンと比較され嫉妬を募らせます。ブラン・スタークは、下半身の麻痺と母親の不在に心を痛めますが、メイスター・ルーウィンによってドスラク人流の弓術を教わることになります。

キングズランディング
王都では、馬上試合が開催され、グレガー・クレゲインとロラス・タイレルの対決が注目を集めます。ロラスは、クレゲインの馬を牝馬で挑発し勝利を収めますが、クレゲインは激怒し、ロラスを殺害しようとします。弟のサンダー・クレゲインがロラスを救い、観衆から称賛を受けます。

ヴァリスは、ジョン・アリンが「ライスの涙」と呼ばれる毒で殺されたと明かし、アリンの従者ヒューが毒を盛ったとほのめかします。一方、アリアは、ヴァリスとイリリオが王への反逆を計画している会話を偶然聞いてしまいます。アリアは父に警告しようとしますが、口ごもってしまいます。そこにヨーレンが現れ、キャトリンがティリオンを逮捕したことを伝えます。

また、ヴァリスのスパイであるジョラーによって、デナーリスの妊娠が小評議会に伝わり、ロバート王はデナーリスとヴィセーリスの暗殺を命令します。エダードは、ロバートがターガリエン家への憎しみで判断を誤っていると非難し、命令を拒否。〈王の手〉を辞職します。ロバートは、サーセイと酒を酌み交わし、ドスラク人の侵攻を危惧する理由を語ります。一方、ロラスは、レンリーが王になるべきだと説得します。

エダードは、リトルフィンガーの紹介で、ジョン・アリンが最後に会った人物、ロバートの落とし子の母親である娼婦ミーガンと会います。その帰り道、ジェイミーとその家来に待ち伏せされ、ティリオン逮捕の件で揉め事になり、エダードの家来は殺され、エダード自身も足に槍を受けます。ジェイミーは、エダードを殺さず、弟のティリオンを無傷で返すように警告し、その場を去ります。エダードは、血まみれで倒れたまま物語は終わります。

製作

このエピソードの脚本は、デイヴィッド・ベニオフとD・B・ワイスによって書かれ、原作の第30-35章に基づいています。原作では視点人物を通してしか描かれないキャラクターの肉付けが重点的に行われ、リトルフィンガーとヴァリスの対立、ロバートとサーセイの会話、レンリーとロラスの性的関係などが描かれています。

撮影は、ベルファストで室内シーン、北アイルランドの城で馬上試合シーン、マルタでキングズランディングの野外シーンが行われました。また、アリンの谷間のシーンは、ギリシャのメテオラの岩場の風景を基にCGIで制作されました。

評判

初回放送では、258万人の視聴者を獲得し、前話から視聴者数を伸ばしました。同夜の再放送を含めると、330万人が視聴しました。また、2011年のプライムタイム・エミー賞では、スタント・コーディネーション賞にノミネートされました。

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