狼少女 (映画)

『狼少女』は、2005年に公開された日本映画で、函館港イルミナシオン映画祭第6回シナリオ大賞長編部門でグランプリを獲得した作品を原作としています。昭和40年代を舞台に、子供たちの日常や心の機微を丁寧に描いた作品であり、第18回東京国際映画祭の日本映画・ある視点部門にも公式参加しました。

あらすじ

主人公は、地底人の存在を信じる空想好きの小学生、明。彼は近所の見世物小屋にいるという、全身毛むくじゃらの「狼少女」に強い興味を抱いています。そんな中、明のクラスに留美子という美少女が転校してきます。優等生で物怖じしない性格の留美子は、なぜか明を気に入ります。ある日、二人はクラスで孤立している秀子が、クラスの悪ガキグループにいじめられている場面に遭遇します。明はこれまで秀子を避けていましたが、留美子に促され、秀子を守ることを約束させられます。

やがて、秀子が狼少女だという噂が広まり、いじめはエスカレートしていきます。それを見かねた留美子は、光一たちへの仕返しを計画します。

主要キャスト

鈴木達也（大田明役）
大野真緒（手塚留美子役）
増田怜奈（小室秀子役）
大塚寧々
利重剛
手塚理美
馬渕英里何
なぎら健壱
田口トモロヲ
西岡徳馬

制作スタッフ

監督：深川栄洋
原案・脚本：大見全
脚本：小川智子
音楽：崎谷健次郎
* 主題歌：植村花菜「melody」

作品の魅力

映画『狼少女』は、昭和の懐かしい風景の中で、少年少女たちの友情、葛藤、そして成長を描いています。見世物小屋の狼少女というファンタジー要素を交えながら、いじめや貧困といった社会的なテーマにも触れており、観る人に様々な感情を呼び起こします。子供たちの純粋な心と、それを取り巻く現実とのギャップが、物語に深みを与えています。崎谷健次郎による音楽、植村花菜の主題歌「melody」が、物語をより一層引き立てています。

ロケ地

茨城県水海道市（現・常総市）が主要なロケ地として使用されました。昭和の面影を残す街並みが、映画の雰囲気を高めています。

『狼少女』は、子供の頃の記憶を呼び覚ますような、温かい気持ちになれる作品です。ぜひ一度、ご覧になってみてください。

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