猛犬ご注意

猛犬ご注意：ダックスフントだと思い込んだグレート・デーンのドタバタ劇

ウォルト・ディズニー・プロダクションが1966年に制作した長編映画『猛犬ご注意（The Ugly Dachshund）』は、G・B・スターンの小説を原作とする、笑いと温かさで溢れた作品です。

物語の中心は、ダンケというダックスフントを飼う若い夫婦、マークとフラン。ある日、ダンケの出産を間近に控え、夫婦は大慌てで動物病院に向かいます。スピード違反で警察官に止められますが、事情を説明すると、なんと病院までエスコートしてくれることに。しかし、病院に着くと、夫婦はすでに通り過ぎてしまっていました。実は、妊娠していたのはダンケだったのです。

数日後、動物病院で子犬たちを引き取ったマークは、獣医から、グレート・デーンの小さなオスの子犬を引き取るよう依頼されます。母犬の乳の出が悪く、子犬の一匹が十分な栄養を摂れていないというのです。乳離れするまでダンケに面倒を見てもらうよう説得され、マークはダックスフントの子犬たちと一緒に、グレート・デーンの子犬を家に連れて帰ります。

フランは、ダンケが産んだ子犬より一匹多いことに気づき驚きますが、マークはグレート・デーンの子犬もダンケの子だと誤魔化し、ブルータスと名付けます。しかし、ブルータスは日に日に大きくなり、秘密は維持できなくなります。

ダックスフントの子犬たちと一緒に育ったブルータスは、自分がダックスフントだと信じ込み、這うようにして歩いたり、他の犬をからかったりと、様々な騒動を引き起こします。その度に、ブルータスが悪者扱いされる展開に。フランはブルータスを追い出すようマークに迫りますが、ブルータスが危険な状況から子犬を救ったことで、考えを改めます。

その後、ブルータスは品評会でグレート・デーンの雌と出会い、自分の本当の犬種に気づき、グレート・デーンとしての自覚を取り戻すという、心温まる結末を迎えます。

個性豊かなキャラクターと俳優陣

本作には、個性豊かなキャラクターたちが登場します。マーク役のディーン・ジョーンズは当時ディズニー映画の常連俳優であり、本作もその一つ。フラン役のスザンヌ・プレシェットは、動物にまつわる役柄が多く、本作以外にも様々な作品に出演しています。

ブルータス役には、3歳のグレート・デーン、ディエゴ・オブ・マーティンクレストが起用されました。しかし、高度な演技が必要なシーンもあったため、別のグレート・デーン、デュークも起用され、2匹でブルータスを演じ分けています。

その他、獣医役のチャーリー・ラグルス、警察官役のケリー・ソードセンなど、実力派俳優たちが脇を固め、物語に深みを与えています。日本語吹き替え版も制作されており、多くの視聴者に親しまれてきました。

ディズニー作品ならではの温かさ

『猛犬ご注意』は、ドタバタ劇とユーモラスな展開の中に、家族の温かさや動物への愛情が丁寧に描かれた作品です。ディズニー作品らしい、心温まるストーリーと、魅力的なキャラクターたちが織りなす、忘れられない感動の物語をぜひお楽しみください。動物たちの愛らしい姿と、コミカルな騒動の数々は、世代を超えて楽しめる魅力にあふれています。 可愛らしいダックスフントと、それを真似する巨大なグレート・デーンの姿は、何度観ても笑いと感動を与えてくれます。

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