猪原智紀

猪原 智紀

猪原 智紀（いはら とものり）氏は、1980年7月生まれのNHKアナウンサーです。福岡県宗像市で生を受け、北九州市で育ちました。福岡県立東筑高等学校を経て、早稲田大学政治経済学部を卒業後、2003年（平成15年）にNHKへ入局しました。

アナウンサーとしてのキャリアは、福井放送局からスタートしました（2003年度から2006年度）。この時期は、福井県のニュースや中継・リポート、スポーツ中継などを担当しました。また、『おはよう福井』や情報番組『ほっとネット福井』のキャスター、紀行番組への出演など、多様な番組に携わり、基礎を培いました。

続く熊本放送局時代（2007年度から2011年7月）も、引き続きスポーツ分野を多く担当しました。地域ニュースやスポーツ中継に加え、ドキュメンタリー番組『くまもとの“風”』や、全国放送の紀行・情報番組『産地発!たべもの一直線』、『生活ほっとモーニング』などにも出演し、活動の幅を広げました。この熊本在任中には、2011年3月に発生した東北地方太平洋沖地震の際、青森放送局へ応援派遣され、災害報道の最前線でローカルニュースを担当するなど、災害時の報道対応も経験しています。

2011年8月からは、故郷である福岡放送局へ異動しました（1度目、2015年度まで）。この時期は、『ぐるっと8県 九州沖縄 増刊号』や『はっけんラジオ』への出演、福岡県や九州沖縄のニュースを担当しました。その後、北九州放送局勤務（2015年8月から2018年7月）を経て、再び福岡放送局へ戻りました（2度目、2018年8月から2023年7月）。

福岡（2度目）での勤務は、猪原アナウンサーのキャリアにおいて、特に防災・減災への意識を強く持つ期間となりました。近年、地震や大雨といった自然災害が頻発する状況を受け、地域住民の安全確保を最優先課題とし、積極的な情報発信に取り組みました。福岡県内の民放局とNHKが連携して制作する防災ラジオ番組『ライフ・サポーター あなたを守る防災ラジオ』には、複数年にわたり出演し、自然災害から大切な人の命や健康を守るための対策や備えについて、正確かつ分かりやすく伝え続けました。この時期には、平成3年8月九州北部豪雨やその後の大雨など、度重なる災害発生時に特設ニュースを担当し、被災地の状況や避難に関する情報などを、緊迫感を持って伝えました。また、『はっけんラジオ』出演時には、自身が好きなものを紹介しつつ親しみやすい挨拶をするなど、番組やリスナーとの距離を縮める工夫も見られました。災害報道だけでなく、『上方演芸会』の司会やラジオ文芸館での朗読など、幅広いジャンルで活躍しました。

2023年8月からは、佐賀放送局に勤務しています。現在は、『ニュース845佐賀』や『ニュースおかえり佐賀845』をローテーション担当し、『いまさが』ではニュースリーダーを務めるなど、佐賀県のニュースを中心に、地域に密着した情報発信を行っています。佐賀県内のニュース中継やリポートも担当し、地域の出来事を深く掘り下げて伝えています。また、2024年1月に発生した令和6年能登半島地震では、被災地に近い名古屋放送局へ応援派遣され、深夜・未明帯の全国ニュースで地震関連の最新状況を伝えるなど、災害報道における重要な役割を担っています。

猪原アナウンサーは、スポーツから地域情報、そして特に近年は防災・災害報道の分野で経験を重ねてきました。地域密着の視点を持ちながら、災害時には全国規模での応援派遣もこなすなど、そのキャリアは多岐にわたります。故郷福岡での防災啓発活動や、度重なる災害発生時の迅速かつ正確な情報伝達は、地域住民の安全・安心に大きく貢献しています。現在は佐賀の地で、これまでの豊富な経験を活かし、地域に寄り添った放送を続けています。

もう一度検索