猪原良右衛門

猪原良右衛門（いはら りょうえもん）は、1894年（明治27年）5月2日に生まれ、没年は不明の日本の醸造家です。広島県山県郡加計町（現在の安芸太田町）出身で、代々醤油醸造業を営む猪原家の長男として生まれました。

学歴と軍歴

1915年7月には大阪高等工業学校醸造科を卒業し、醸造に関する専門知識を習得しました。その後、1920年には東京薬学専門学校を卒業し、薬学の知識も身につけました。学業を終えた後、1年間志願兵として入営し、兵役を終えてから家業を継ぎました。

実業家としての活躍

家業である醤油醸造業を継承した猪原良右衛門は、その経営手腕を発揮し、事業の発展に尽力しました。また、実業家としてだけでなく、地域社会の発展にも大きく貢献しました。加計町商工会長、広島県火薬商組合長、広島県薬種商組合長、広島県地方森林会議員、広島県山林会長など、数多くの公職を歴任しました。さらに、所得税調査委員、山県郡連合軍人分会長、加計町軍人分会長、大日本消防協会代議員、加計郵便局長なども務め、その活動は多岐にわたりました。

特に、農業および林業の発展には多大な力を注ぎました。地域の産業振興に尽力し、その功績は高く評価されました。しかし、戦後、公職追放の対象となり、一時的に公職から退くことになりました。

人物像

猪原良右衛門の宗教は真宗で、趣味は読書でした。読書を通じて知識を深め、人格を形成したと考えられます。住所は広島県山県郡加計町古市にありました。

家族

猪原家は代々醤油醸造業を営んでおり、また薬種商も兼業していました。猪原良右衛門は、父である先代良右衛門の跡を継ぎました。妻と、後を継ぐ嗣子、そして長女がいました。

参考文献

猪原良右衛門に関する情報は、以下の文献に記録されています。

大阪高等工業学校編『大阪高等工業学校卒業生等名簿 昭和2年度調』大阪高等工業学校、1927年。
『広島県紳士録 昭和8年版』西日本興信所、1933年。
『自治産業発達誌』国際通信社、1940年。
『大衆人事録 第13版 中国・四国・九州篇』帝国秘密探偵社、1940年。
* 総理庁官房監査課編『公職追放に関する覚書該当者名簿』日比谷政経会、1949年。

これらの文献から、猪原良右衛門の生涯と業績をより深く知ることができます。

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