猪熊隆之

猪熊 隆之のプロフィール

猪熊 隆之（いのくま たかゆき）は、1970年8月1日生まれで、新潟県村上市出身の気象予報士です。彼は登山と気象の分野で豊富な経験を持ち、特に山岳気象に関しては専門家として知られています。彼は国立登山研修所の講師や中央大学山岳部の監督としても活動しています。2011年には、日本初の山岳専門の気象会社「ヤマテン」を設立しました。

学歴と登山歴

新潟で生まれ育った後、神奈川県平塚市に移り住みました。神奈川県立平塚江南高等学校を卒業後、中央大学法学部政治学科に進学します。大学生活の中で彼は山岳部に所属し、登山に対する情熱をさらに深めました。しかし、大学時代の合宿の富士山登頂中に強風で転落し、重傷を負ってしまい、左足に粉砕骨折と凍傷を伴う大怪我を負いました。この事故により、彼は一時期左足の切断の危機に直面しましたが、山への愛情は失わず、卒業後は会社員として働きながら、再び登山を目指してトレーニングを続けました。学生時代の15年の経験を経て、エベレストの西稜などにも登頂しましたが、2005年には古傷の後遺症により登山を続けることが難しくなりました。

気象の道へ

その後、彼は幼少期からの関心であった気象の分野に転職を決意します。1年間の勉強を経て、2007年には気象予報士の資格を取得しました。その際、登山家の竹内洋岳から「山の天気予報」のアイデアを授かり、同年にメテオテック・ラボに所属。2011年には「ヤマテン」を設立し、専門的な山岳気象サービスを提供することになりました。彼の企業は公益法人日本山岳会が配信する「冬山天気予報」を展開しており、山岳気象の重要性を広める活動を行っています。

著名な活動

猪熊氏は、2008年にエベレストに挑戦していた日本人登頂隊に正確な天候情報を提供し、成功を収めた際に「山の気象予報士」として広く認知されるようになりました。また、テレビ番組や映画の登山隊員としても多くの経験を積んでおり、例えば「世界の果てまでイッテQ!」や「にっぽん百名山」などに出演しています。

さらに、山岳気象に関する講演会や登山教室を開催し、気象講座についての執筆も多数行っています。特に雑誌「岳人」「山と渓谷」「PEAKS」などでの寄稿が注目されています。

メディア出演と著作

猪熊氏はまた、テレビ番組「日経スペシャル ガイアの夜明け」にも出演し、異常気象についてのプロフェッショナルとして特集されました。これに加えて、彼は複数の著書も手掛けており、気象に関連する知識を広める役割を果たしています。彼の主要な著書には『山岳気象大全』や『山の天気リスクマネジメント 山登りABC』などがあります。これらの著作で、山岳気象の基礎からリスク管理の知識について詳しく解説しています。

まとめ

猪熊隆之は、気象と登山に情熱を注ぐスペシャリストであり、彼の活動は多岐にわたります。困難な状況を乗り越え、気象予報士としてのキャリアをスタートさせた彼の経験は、多くの人々にとって参考となるものです。登山という自然の中での活動において、正確な気象情報は極めて重要であり、彼の仕事は今後も多くの登山者を支えることでしょう。

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