猫はワンワン犬はニャーオ

トムとジェリー：猫はワンワン犬はニャーオ

1961年9月7日公開の『猫はワンワン犬はニャーオ』（原題：Switchin' Kitten）は、トムとジェリーシリーズの第115作品目であり、ジーン・ダイッチ監督による記念すべき第一作目です。4:3の標準サイズで制作され、3年ぶりの新作として当時大きな話題を呼びました。

嵐の夜と奇妙な城

物語は、激しい嵐の夜から始まります。迷い込んだトムがたどり着いたのは、なんとマッドサイエンティストの研究所だったのです。そこは、動物たちの魂を交換するという、とんでもない実験が行われている場所でした。

予想外の出会いと大混乱

研究所でトムは、助手のジェリーを見つけ、いつものように捕まえようとします。しかし、そこに現れたのは、ブルドッグの魂を持つ赤猫！赤猫はジェリーに懐き、骨をしゃぶったり、トムに吠えかかったりするなど、予測不能な行動を繰り返します。

トムはジェリーを捕まえようとしますが、赤猫の妨害に遭い、作戦はことごとく失敗。さらに、研究所には、象がカナリアの鳴き声で、カナリアが牛の鳴き声で、ブルドッグが猫の鳴き声で鳴くなど、魂を入れ替えられた動物たちがたくさんいました。そして、最後にジェリーがMGMのレオ・ザ・ライオンのように「ガオー！」と吠えた時には、トムも完全に混乱してしまいます。

狂騒劇の結末

もはや何が何だかわからない状況の中、トムはついに研究所から逃げ出すことを決意します。ジェリー捕獲どころか、自分の身を守ることで精一杯になってしまったのです。

登場キャラクター

トム:いつものようにジェリーを捕まえようとしますが、予想外の事態に翻弄され、研究所から逃げ出します。
ジェリー:研究所の助手として働き、ブルドッグの魂を持つ赤猫をボディーガードとして利用し、トムを撃退します。最後は猫の鳴き声で吠えるという、驚きの行動に出ます。
科学者:動物の魂を入れ替える実験を行う、マッドサイエンティストです。
赤猫:ブルドッグの魂に入れ替えられ、ジェリーと意気投合してトムを翻弄します。
ブルドッグ:赤猫の魂に入れ替えられています。
象:カナリアの魂に入れ替えられています。
* カナリア:牛の魂に入れ替えられています。

日本での放映とその後

日本では、TBS系などで1964年から1990年頃まで放送されました。吹き替え版では、レオ・ザ・ライオンのシーンは「にゃおー」に変更されています。また、80年代頃までは科学者が「キチガイ博士」と呼ばれていましたが、放送禁止用語とみなされるようになったため、無音処理されるようになりました。現在、カートゥーンネットワークでは、精神障害や動物実験の描写があるため、本作は放送されていません。

まとめ

『猫はワンワン犬はニャーオ』は、予測不能な展開とシュールなユーモアが満載の、トムとジェリーシリーズの中でも異彩を放つ作品です。ジーン・ダイッチ監督独特の作風が存分に発揮され、視聴者に衝撃と笑いを届ける、不朽の名作と言えるでしょう。動物たちの魂が入れ替わるという奇想天外な設定と、トムの困惑する様子は、何度見ても新鮮な驚きを与えてくれます。現代においても、その斬新なアイデアと独特のユーモアは色褪せることなく、多くのファンを魅了し続けています。

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