猫刄

猫刄（みょうじん）とは

猫刄（みょうじん）は、特殊な将棋の駒として知られ、大将棋や大大将棋、摩訶大大将棋、泰将棋、および大局将棋といった異なる形態の将棋に存在します。この駒は本将棋には含まれていませんが、その独特な動きと成りの仕組みから、将棋の愛好者にとって興味深い存在です。

名称の由来

「猫刄」という名前は、江戸時代の誤読に基づくとも言われています。正しい名称は「猫叉（ねこまた）」であるとの説もあります。このように異なる名称が存在することは、将棋の歴史における興味深い側面を示しています。

駒の特性

大将棋における猫刄

大将棋では、猫刄は成ることで金将に変化します。成らなければ、盤面の筋違いの位置には何手かけても移動できないという特性があります。しかし、一度成ると、利きの範囲が6マスに広がり、全ての地点に移動できるようになります。ただし、この場合も斜め後ろへの利きが失われるため、戦略的な考慮が必要です。これは本将棋の銀将が成ることで成銀に変わる際のデメリットと類似しています。

大大将棋および大局将棋との関係

大大将棋や大局将棋においても、猫刄は成ることで竜馬に変身します。この駒も同様に、成らない限り盤面の筋違いの位置には移動できません。この特性により、プレイヤーは戦略を慎重に練る必要があります。

摩訶大大将棋と泰将棋での動き

摩訶大大将棋や泰将棋においては、猫刄が成ることで奔猫に変わります。さらには、生駒の状態でも成ることが可能ですが、やはり筋違いの位置には移動できないという制限が存在します。

戦略的な意義

猫刄の独特な特性は、プレイヤーに新たな戦略を要求します。特に成ることで新たな駒に変化する機能は、局面の流れを大きく変える力を持っています。特に、成らない選択は、自らの動きを制限する一方、相手に対し予測困難な状況を生じさせる場合もあります。このような駒の特性に基づく戦略が、将棋の魅力の一部を形成しています。

参考文献

猫刄に関する情報は、梅林勲と岡野伸が共著の『改訂版 世界の将棋・古代から現代まで』に詳述されています（将棋天国社、2000年）。

関連項目

• - 将棋類の一覧
• - 将棋類の駒の一覧

このように、猫刄は、さまざまな将棋の形態において特異な役割を果たしており、その理解は将棋を深く知るために必要不可欠です。

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