猫間川

猫間川（ねこまがわ）

猫間川は、かつて大阪府大阪市の東部を流れ、淀川水系に属していた河川です。この川は流域面積が比較的小さく、その結果として流量も少ないものでした。1957年に、この川は完全に暗渠化され、地上からその姿を消しました。今回は、猫間川の地理的情報と歴史について詳しく見ていきます。

地理

猫間川は平野川の西側に位置し、現生野区や東成区の西部を北に流れました。大阪城の東側で平野川に合流していたものの、その長さは約4.5キロメートルでした。一番上流の発源地は阿倍野区の長池や桃ヶ池付近の低地で、ここから水が流れ始まりました。

川の流れは、源ヶ橋を通過しながら上町台地からの水を集め、生野区の猫間川筋を経て東成区、城東区とJR環状線に沿って進みました。そして森之宮の大阪砲兵工廠の西北端に達した時点で、平野川に合流していました。川の幅は約10メートルとされ、流量が少ないために地域の人々にはあまり親しまれていなかったと言われています。

猫間川の名前の由来については、平野川が百済川（くだらがわ）と呼ばれていたのに対し、それに対する呼称が高麗川（こまがわ）であり、これが訛って猫間川になったのだとも言われています。このように、猫間川の名称には複数の歴史的文脈が含まれています。

歴史

猫間川は歴史的にも重要な役割を果たしていました。特に大坂の陣では、兵糧の搬入に関与し、その名が歴史文献に登場します。真田幸村に関連する場面においても、その位置が記されています。この納入路として猫間川は重要視され、当時の大阪において物流の一部として機能していたことが窺えます。

しかし、戦後の都市開発や整備が進む中で、猫間川も無情にもその役割を終えてしまいました。1957年に完全に暗渠化されることで、かつて川があった場所は街の下に隠れてしまい、その存在を直接知る人は少なくなっています。今では、かつての猫間川の流れを知るためには歴史を探るしかありません。

まとめ

猫間川はその水の少なさゆえに忘れ去られつつありますが、その歴史には大坂の陣といった重要な出来事が含まれています。かつて地域の人々の生活を支えたこの川は、その名残を求めて歩いてみる価値があるでしょう。また、猫間川の流域や周辺の土地の歴史を知ることは、現在の大阪を理解する手助けにもなるかもしれません。

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