獣神ローガス

獣神ローガス

『獣神ローガス』は、1987年に発売されたPC-98用ゲームソフトです。ジャンルはタクティカル・リアル・アクション・ゲーム（T・R・A・G）と銘打たれています。

2010年12月28日には、「プロジェクトEGG」にて配信が開始されました。

概要

当初は、山口祐平氏が企画したSFロールプレイングゲームでした。開発途中のゲーム画面がゲーム雑誌に掲載されるなどしていましたが、企画変更により発売が延期され、アクションゲームとシミュレーションゲームの要素が組み合わさったゲームとして発売されました。パッケージには、企画変更に至るまでの経緯が記載されています。

ゲームアーツの『ヴェイグス』も、当初は本作と似たようなシステムのゲームとして開発されていましたが、『獣神ローガス』の発売後、システムが似すぎていたため、純粋なアクションゲームへと路線変更したという経緯があります。

あらすじ

およそ10恒星年前、ネビュラ恒星系第5惑星サゴスに豊富な資源があることが判明し、各惑星国家が入植を開始しました。

2恒星年前の恒星歴2985年、資源探査を行っていたガイゼル教授の一団が、先住生物のものと思われる遺跡を発見したと発表しましたが、直後に発表を撤回。その後、教授の一団は滞在していたベースの隊員もろとも消息を絶ってしまいます。

それから4半恒星年後、ガイゼル教授はガイゼル総督を名乗り、惑星サゴスの支配と独立を宣言。各国首脳は一笑に付しますが、ガイゼル総督は軍の技術水準を遥かに超えた機動兵器を有していました。監察軍は撃滅され、ガイゼル総督軍（反乱軍）は惑星全土のベースを支配下に置きます。

幾度も攻略作戦が実行されるも失敗に終わり、反乱軍の兵器の残骸の解析から、異文明の技術が使われていることが判明。敵の機動兵器に対抗するため、機動兵器「RHザガード」が開発されます。

恒星歴2987年、降下作戦部隊指揮官J.P.マクガドル大佐は、反乱軍の鎮圧と遺跡の発見の命令を受け、RHザガードに搭乗して惑星サゴスに降下します。

ゲームシステム

敵ベースを攻略し、ガイゼル総督を倒すことが目的です。ベースへの攻撃は、隣接しているベースにのみ可能です。通常のベースの他に要塞があり、占領した要塞は侵攻される心配はありません。ベースでは毎ターン、戦力や弾薬が生産されます。敵も同様で、戦力の値が高いほど強力な兵器になります。

反乱軍のターンでは、自軍のベースに隣接している敵ベースから侵攻を受けます。隣接している敵ベースが多ければ、多くの戦力が差し向けられます。防衛は自軍ベースに駐屯している戦力によって行われますが、プレイヤーも拠点防衛に参加できます。隣接するベースから駆けつけることも可能です。

戦闘

戦闘はアクションによって行われます。地形や敵位置はレーダーで表示され、画面外も把握できます。敵部隊を撃退した割合もゲージで表示されます。RHザガードのエネルギーは時間と共に減少し、残量が0になると機体がダメージを受けます。戦闘マップ内の敵を全て撃退すれば勝利となります。ダメージを受けた敵は退却しますが、倒さなければレベルアップや敵戦力削減には繋がりません。敵機の爆発も攻撃力があり、敵味方問わずダメージを与えます。

戦闘マップには敵の兵器生産設備があり、破壊して長期的な敵戦力削減を狙ったり、盾代わりにしたり、爆発させて攻撃に使うことも可能です。占領後は自軍の生産設備になりますが、破壊された設備の修理は自軍では不可能で、敵の占領下でのみ行われます。

拠点防衛に参加する場合、配備した戦力が友軍として登場します。

特殊な戦闘として補給妨害があります。敵の輸送部隊を追尾して輸送機を撃墜することで、補給を断たれた敵ベースは、配備されている戦力を一時的に十分に運用できなくなります。RHザガードが飛行可能になるまでは実行できません。

武装

敵を倒すことによって、作戦終了後にRHザガードがレベルアップします。レベルアップ時には、武装の中から1つ選んで強化できます。また、新しい武装、バックパック、飛行ユニット、追加装甲、僚機などが追加されます。多くの追加武器は弾薬を消費し、ベースで生産・備蓄された弾薬の補給が必要になります。

BALKAN: 基本武装。連射が利くが射程は短い。弾薬は戦闘中でも徐々に自動補給されます。ただし弾薬数0のまま撃ち続けるとオーバーヒートして使用不能になります。
BEAM: 威力、射程、連射性能を備えています。
SHIELD: 前方からの敵の攻撃を防げます。ある程度で壊れますが、次回の戦闘では自動的に修理されます。
BAZOOKA: 威力は高いが、弾速が遅い。
BOMB: 時限爆弾を放出します。爆発は自機や味方にもダメージがあります。
FIXER: 戦闘中に機体を修理可能。僚機も同時に回復されます。戦闘が終了すれば自動的に最大まで補充されます。
MISSILE: バックパックから多数のミサイルを放ちます。
ENERGY BURST: RHザガードがフィールドに覆われ高速移動が可能になり、触れた敵はダメージを受けます。残弾制限はありませんが、使用中はRHザガードもダメージを受けます。

僚機: 緑色のRHザガード（自機は青色）。弾薬は自機と同様に補給する必要があります。ダメージを受けていれば退却指示を与えることもできますが、破壊されてもレベルアップ時に新しい僚機が配備されます。

音楽

ゲーム中には以下の楽曲が使用されています。

Opening（タイトル）
Intro（タイトルデモ）
Operation（マップ）
Requiem（スタートメニュー、ゲームオーバー）
Battle1（攻撃）
Battle2（防衛）
Battle3（補給妨害）
Battle4（ボス）
Last（ラストバトル）
Ruin
Ending
* Ending2

ディスク内には音楽鑑賞用のバッチファイルがあり、ゲーム曲と効果音に加えて、アニメ曲を聞くことができます。

後に大山曜氏が立ち上げたバンドASTURIASの音楽CDアルバム『Brilliant Streams』（1990年）には、本作の「Battle1」をバンドアレンジした「ローガス」が収録されています。また、アルバム『Marching Grass on the Hill』（2005年）には再アレンジした「Rogus」が収録されています。

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