玄制流

玄制流空手道について

玄制流（げんせいりゅう）は、祝嶺正献によって創設された空手の流派です。この流派は、空手の伝統的な形や技術だけでなく、独自の哲学をも秘めています。祝嶺正献は、昭和8年から昭和12年にかけて佐渡山安恒から首里派古流空手を学び、その後昭和12年から昭和25年にかけて岸本祖孝に師事しました。この経験を基に、戦後に新しい技術の創作に取り組み、昭和25年（1950年）には「玄制流空手道」という名称を公にしました。

その後、祝嶺は大学や自衛隊、企業などにおいて120以上の道場で指導を行い、玄制流は全国的に広がりを見せました。さらに、祝嶺正献は昭和38年（1963年）に新武道「躰道」を創設し、昭和40年（1965年）には日本躰道協会を設立しました。これにより、彼は玄制流空手道と躰道の両方の宗家・最高師範となり、その地位を確立しました。

祝嶺が設立した武徳会は、弟子の土佐邦彦が引き継ぎ、現在に至るまで活動を続けています。玄制流の最古の組織は国際玄制流空手道連盟で、創設は1959年に遡ります。他にも土佐邦彦が設立した国際玄制流空手道連盟武徳会や、成川哲夫が創設した国際空手道連盟玄制流成道会など、複数の会派団体が存在し、それぞれが玄制流の精神を受け継いでいます。さらに、平成3年（1991年）には全日本空手道連盟に正式に加盟するなど、国際的な認知も得ています。

玄制流の特徴はその哲学にあります。祝嶺は哲学者でもあり、戦争中に「予期せぬ行動が勝利につながる」と学びました。この思考は、2つの国家間の争いや個人の紛争においても適用され、玄制流ではその考え方を根底に据えています。つまり、相手が期待しない行動を取ること、それが玄制流の基本的な哲学なのです。

型

玄制流では、さまざまな型が存在します。代表的な型には以下のようなものがあります。

• - 太極
• - 平安初段
• - 平安二段
• - 平安三段
• - 平安四段
• - 平安五段
• - 内範置（ナイファンチ）
• - 王冠（ワンカン）
• - 祝嶺（シュクミネ）の抜塞（バッサイ）
• - 祝嶺（シュクミネ）の抜塞小（バツサイショウ）
• - 三才（サンサイ）
• - 鷺牌（ローハイ）
• - 公相君大（コウショウクンダイ）
• - 公相君小（コウショウクンショウ）
• - 城間（グスクマ）のチントウ

これらの型は、技術を磨くための重要な要素となっており、師範から弟子へと受け継がれてきました。これにより、玄制流はその独自性を持ちながらも、空手の伝統を継承し続けています。

会派団体

玄制流空手道は日本空手道連合会の加盟団体であり、国際的なレベルでの活動も盛んです。主要な会派団体には以下のものがあります。

• - 国際玄制流空手道連盟
• - 国際玄制流空手道連盟武徳会
• - 国際空手道連盟玄制流成道会

これらの団体は、それぞれ独自の活動を行い、玄制流の普及に努めています。空手道における玄制流の存在は、技術の向上だけでなく、精神的な側面でも多くの人々に影響を与えています。

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